K-POP 新感覚のメディア (岩波新書)

著者 :
  • 岩波書店 (2018年7月21日発売)
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感想 : 25
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なんか正直なところ、K-POPとか論じなくても聞いて楽しめばいいんじゃないと思うんだけど、読んでみた。
この本にも書いてあるんだけど、K-POPはもともとJ-POPの相対概念として生まれた言葉だと。そしていつのまにかワールドワイドな存在になった。それは、「日本のポピュラー音楽は自らをJ-POPと規定したときから、(依然としてCD販売に依存することをはじめ)Jの世界の秩序と感覚を原動力とするようになった。それに対してK-POPは、他者によって規定されたそのときから「K」をめぐるあらゆる境界と秩序を解体しつづけることを原動力にしたといえる。」(p.58)ということに集約されるのではないかな。
自分たちの(よくいえば)あるがままを売りにしたJ-POPに対し、K-POPはまず世界に向かっていきグローバルスタンダードを体得したうえでKらしさを出していったという感じ。BTSを代表例にわりと最近のK-POPのあり方にもかなり紙幅を割いているんだけど、youtubeやSNSを通じて世界的に拡散していくあり方は、やはり前掲の引用文と重なるところで、CDや音楽としてだけでない文化が拡散していく成功例としてとらえるべき。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2020年7月12日
読了日 : 2020年7月12日
本棚登録日 : 2020年7月12日

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