流れでイーストウッド作品を観る。日本では『硫黄島からの手紙』だけが有名になっているが、メインはこちら。公開もこちらが先ということで先に観る。
太平洋戦争末期、日本が侵略した領土が連合国軍に次々と陥落される中、初の日本固有領土決戦となった硫黄島。戦場で撮られた一枚の写真、摺鉢山の頂上に星条旗を立てる六人の兵士の姿。
アメリカ人にとって有名な写真なのだろうが俺は知らなかった。知らなかったのは不勉強でもあるが、日本の政府やメディアがあまり多く取り上げなかったからに違いない。冒頭でも紹介されるベトナム人を射殺する瞬間(ベトナム戦争?)やニューヨークで兵士と看護婦がキスする写真は知っている。ロバート・キャパの『崩れ落ちる兵士』もだ。だが、硫黄島の星条旗の写真は知らなかった。
そもそも硫黄島決戦のこともよく知らなかった。
映画の展開は時間軸通りではなく、硫黄島上陸前と後、現在が複雑に入れ替わる構成となっていて、ぼんやり観ているとどこにいるのか判らなくなる。「数日後」とか「○年後」などと出るわけではなく、通常のカット割り、場面転換と同じようにジャンプするのでちょっと混乱する。
そもそもこの硫黄島の摺鉢山に星条旗を掲げた英雄が喧伝されたような英雄ではなかったというエピソードは主要な観客であるアメリカ人にとってはよく知られた話に違いなく、だから敢えて複雑な構成にして観客を飽きさせない工夫をしているのではないか。
知らない者としてはちょっと判りにくく感じてしまった。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
映画
- 感想投稿日 : 2012年3月18日
- 読了日 : 2012年3月18日
- 本棚登録日 : 2012年3月18日
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