地政学が最強の教養である “圧倒的教養”が身につく、たった1つの学問

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  • SBクリエイティブ (2023年1月6日発売)
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キーワードは何といっても『騎馬民族』。ユーラシア大陸に座するランドパワー大国は、生粋の戦闘集団である騎馬民族から文明を破壊され、再発防止のためにも中央集権体制を敷く必要があった。それゆえに資本家が生まれず産業革命以降世界の潮流に乗り遅れた。

国は引越しできないが、人は引越しできる。
気候変動により、地理が変わらずとも環境が変化する可能性がある。
唯一の普遍は変化するということ。
リスクを考えるうえでも、世界のニュースを読み解く上でも非常に参考になった。

その他、勉強になった点を下記の通り箇条書きしておく。

①海洋国家(シーパワー)や山脈などの自然防波堤がある場所(インド亜大陸、イタリア半島、イベリコ半島)は騎馬民族からの攻撃をうけていない。

②中国は一人っ子政策の影響で、子供を溺愛している。そのため戦争で死者を出そうもんなら暴動レベル。習近平は失敗できないため確信できるまで戦争には持ち込まない。

③台湾は崖がちなので攻めるのは大変。

④インドは戦後の印パ紛争で、ソ連に支援してもらったり、武器提供を受けているため、現在のウクライナ侵攻も批判してない。一方で、QUAD(アメリカ、オーストラリア、日本)に参加。バランスを取った非同盟国のポリシー。

⑤イスラエルは古代パレスチナの地に国があったが、エジプトに逃れた。奴隷にされたため再度元の場所に戻ったが、内紛し二つの国に分裂(イスラエル国、ユダ王国)し共に滅ぼされた。

⑥日本は自然が多い。山が多く雨が多い。

⑦中国が南シナ海が欲しい理由、抑止力として原子力潜水艦を移動させられる深い海が欲しい。また、資源、漁獲量も豊富。またシーパワーとして打って出る際に日本が防波堤となっており、台湾海峡を通りたい。

⑧北極海ルートで釧路が栄える可能性。そのためロシアは北方領土を返したくない。中国、ロシアが津軽海峡を通るのもそのため。

⑨北極、南極の氷が溶けると、NY,LA,リオ、東名阪、その他の沿岸都市が沈むため、内陸高地が栄えてくる。氷海とともに凍っていたウイルスが溶け出す可能性も。

⑩中国、ロシアといったランドパワー大国は、国境を接する国が多く、恐怖が多い。そのため領地拡大する。そうすると多くの少数民族を抱えることになり、抑圧するための治安維持費もかかる。

11.中国はステップ気候で乾燥がち。植物が育たない。騎馬民族的な移動式生活スタイル。
ロシアは領土の6割が永久凍土で、人が住んでいるのは2割の部分。

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感想投稿日 : 2023年2月13日
読了日 : 2023年2月13日
本棚登録日 : 2023年2月13日

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