ビジネスは需要と供給で構成されており、企業がコントロール可能な供給に対して消費者がコントロールする需要に対して働きかけていく行為がマーケティングである。
本書はマーケティングに関して最新の分析手法をピックアップし、理解しやすい形で解説を加えることで読者のデータリテラシーを向上させることを目的としている。
分析の重要性が近年取沙汰される傾向にあるが、ただ「これからは分析が重要」「ビッグデータを使っていかなければ」とか言っていても何の意味も無い。
大切なのは分析をするにあたって「誰にアプローチするのか」「顧客に何を伝えるのか」を考えることである。
そこをはっきりさせなければ必要なデータやそれによって得られるものも曖昧になってしまい、どんなに高度な分析を用いても十分な効果を得ることが出来なくなってしまう。
スケールが大きくて実体を摑むのが困難であるからこそ、結局如何に定義し、選択し、読み取るか。
本書を読んでいてデータの持つ大きな力を再認識することができ、またそれを用いる上で何を押さえるべきなのかを意識するにも至った。
またアナリティクスの未来に関する記述も興味深い。
今後データを活用したマーケティングが更に重要になってくるにあたって、アジャイル(機敏)であること、専門的な知識をマーケティングの文脈で理解し言語化して人に説明できること。
これらが明暗を分ける。
その中で個人がどういった役割を担っていくべきなのか。
現在のトレンドや今後のデータ活用に関する理解が深まり、非常に勉強になった。
少なからずデータを活用する最前線に入っていく身として読んでよかったと思う。
今後もアンテナを高く張ってトレンドに関する情報を吸収しながら、そのマーケティング上での文脈を読み取る訓練を怠らずにやっていきたい。
まだまだ勉強不足。
- 感想投稿日 : 2013年7月19日
- 読了日 : 2013年7月18日
- 本棚登録日 : 2013年6月28日
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