2012年の第1刷を読む。約8年前の書籍であるので、現在の実態とあっているかといえば、わからない。
はじめにでは、10年後にはコミュニケーション能力に優れた人が入ってくると予言をされているが、実感としてはあまり変わらない。
教育に関する議論では、素人がさも専門家のように根拠のない断定をする場合が多く、感情的であるために受け入れがしやすいが解決策にはならないことがほとんど。
このコミュニケーションの問題も、世代間に生じるディスコミュニケーションであり、形は変わるが常に同じ問題を指摘されている。
読者は、おそらく言葉遣いがきになってしょうがない上司であり、「今の若いものは」と飲み屋での愚痴を言いたい世代が多いでしょう。解決策は書いてあるものの、あまり実践的ではないと思われる。というのも、会社での出来事であれば、変なコミュニケーションをとるような社員をとっている人事部に問題がある。若者は、知らないから失敗するのであって、嫌がらせやわざとではない。「こんなことも言わなければわからないのか」と言いたい気持ちもあるが、昔ができていたわけではないことを忘れているだけ。
電話のコールバックがないことを嘆いているが、これもおじさんの勘違いである。そんなに電話をかけることが重要であれば、初任者研修で繰り返し教えればよい。教えてもいないのに、できないと嘆くのは滑稽である。
本の読み方として、自分を振り返り、おかしなコミュニケーションをしていないか確かめる手段とするのが良い。間違っても若者分析をしていると勘違いしない方がよい。
- 感想投稿日 : 2020年1月2日
- 本棚登録日 : 2020年1月2日
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