ノルウェーの児童文学。
ヨアキムの父は中学教師を3日で挫折。心を病んでしまう。そんな父を、母はなんとか支えるが、母は自分の夢も諦めきれずにいる。
ヨアキムの世界は不穏に満ちている。近隣の大人は魔女であり、そこらじゅうに呪いの罠が仕掛けてある。さらには地下には殺人犯が潜んでいるのだ。
毎日を必死にやりすごすヨアキムだったが、「本当のこと」に気づき、自分の頭と心で考えだすうちに、世界は少しずつ色彩を変えていく。
ヨアキムの世界が穏やかでありますように。鳥はもう暴れだしませんようにと祈る心地で読み終えた。
大人の都合に振り回される子どもという図とは違う、子どもの世界の大きさを知ったような気がする。かつて自分にもあった世界ではあるのだけれど、ずいぶん多くのことを忘れてしまったようだ。
読書状況:未設定
公開設定:公開
カテゴリ:
未設定
- 感想投稿日 : 2016年1月24日
- 本棚登録日 : 2016年1月18日
みんなの感想をみる