情報社会のいま ―あたらしい智民たちへ

著者 :
  • NTT出版 (2011年5月9日発売)
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本棚登録 : 111
感想 : 10
4

構成も注釈も図解も申し訳なくなるくらい明快で分かりやすく、言葉ひとつひとつが丁寧に送り出されていて、大切に受け取ろうと思わざるを得ません。

「いま」を形作る「いままで」を、S字波曲線によって様々な尺度から読み解き、そしてこれからを考えてみる。長い長い歴史の中で自分の立っているほんの一瞬の、しかし激動の面白さを思いました。いや生き残れるか瀬戸際でもあるけど。

中高生の社会の授業でやっりたいなああああ!と思いました。難し過ぎるというなら噛み砕いて。だってこれこそが社会の勉強をする意義であり目標だし、社会や歴史そのものをこういう形で理解した上で知識は必然的に必要になるし、ゴールと走るべき道筋と、いやもっというなら課題を与えられてそれに取り組む姿勢、モチベーションまでも与えて貰える内容だと思います。というか、それすら与えられない意味の無い授業を受けさせられている哀しさよ。教師の方が社会や歴史を捉え切れてない、理解していないからそういう授業が組めないんだろうなと思うにつけ、教師の方も必読だなとも感じました。

もう一つ、個人の人生もまた、S字波曲線を重ね合わせながら紐とけるとして、私はどうだろうとかも考えました。あと、見田宗介先生の成長曲線と、弱肉強食じゃなく共存共栄が生物界の最適解なんだって話を思い出しました。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2011年10月9日
読了日 : 2011年10月9日
本棚登録日 : 2011年6月27日

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