『老子』にまなぶ人間の自信 (10代からよむ中国古典)

著者 :
  • ポプラ社 (2010年2月16日発売)
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老子といえば
授業でも習うくらい
有名な中国の思想家です。

でも
どんなことを言っていたか覚えていますかと聞かれたら、
わたしは全力で首を横にふるでしょう。

そもそも知識の本は
覚えようとして読むと
まったくおもしろくありませんから、
覚えていないのも当然です。
(開きなおり!)

実はこの本の前に
・生きかた上手/日野原重明・著
・その島のひとたちは、ひとの話をきかない/森川すいめい、著
という2冊を、たて続けに読み、
自分にとっての生きやすさとはなにかと
考えていました。

そんなわたしにとって
「人生の達人」である老子の本は
まさにうってつけでした。

しかし、
老子もムズカシイ本から手をつけると、
挫折する空気ムンムンでしたので
まずは子ども向け本を読んでみようと思い、
手にしたのが本書でした。

“10代からよむ中国古典”とあるだけあって、
字がものすごく大きく、
老眼でも難なく読めます。

老子の教えはもともとは漢文ですが、
原文だけでなく読みやすい書き下し文も
どでかく載っています。

訳文、さらにはわかりやすい解説文が続き、あっという間に読み終えました。

とくに書き下し文は
音読にもとってもオススメ!
まさに、声に出して読みたい古典です。

内容はようするに
“無理なく自然にしなやかに生きよう”
というものですが、

“無理なく生きるとは”
“自然に生きようとは”
“しなやかに生きるとは”について
老子の考えが述べられており、

ストレスをはねかえし、
しなやかに生きることが大切だ!
というレジリエンスの考え方を
老子は大昔にもう、唱えていたんだ!
ということがわかります。

ちなみに老子の言う
本当に立派な人とは
“一見くちべたに見え、
満足を知っているために欲望が少なく、
まわりの評価を気にしない人”
だそうです。

とくに
“まわりの評価を気にして
オドオドしているのは、
自分のなかに病気を抱えこむのと同じだ!”
と言いきっていて、

うつになる前のわたしは
まさにコレそのものだったのか!
ガーン!と思いました。

生きづらいな…という思いをもつ方には、
とくにオススメしたい1冊です。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 生きること、死ぬこと
感想投稿日 : 2020年1月16日
読了日 : 2020年1月15日
本棚登録日 : 2020年1月15日

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