twitterの川柳仲間さんの中には、短歌も詠まれる方がおられます。
そうした短歌ツイートを読ませていただくうちに、自然と短歌にも興味を持ちました。
こちらの「天才による凡人のための短歌教室」は、ブクログでフォローさせていただいているまことさんのレビューから知った1冊です。
「天才による凡人のための…」とは、なかなか思いきったタイトル!(失礼(汗))とおもって手に取りましたが、のっけから「僕は天才ではない。」(引用)とあり、やや混乱…!
要はこの本で短歌のコツを伝えることで、まだ短歌を始めていない未知の天才たちにはやく天才になってもらい、著者を撃ち抜く短歌を詠んでほしい…ということだそう。
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第2章の「短歌をつくる」では、短歌入門書では味わえない、歌人ならではの短歌を詠むコツがわりと淡々と書かれています。
なかでも驚いたのが「助詞を抜くな。」(46ページ)でした。
それというのも川柳を詠むとき(わたしは主にtwitterで川柳投稿をしています)、字数やリズム感を第一に考え、結構助詞を抜いてきたため、助詞抜きが身についてしまっていたからでした。
なんでも助詞を抜くというのは短歌初心者によく見られるそうで、一概にだめとは言えないまでも、「31音の流れにぶつ切り感が出てしまい、ビギナー感まるだしとなる。」(46ページ)のだそう。ひぇっ、そうなんですか?!(汗)
このページには著者が最初に作った短歌として、
「針に糸通せぬ父もメトロでは目を閉じたまま東京を縫う」(46ページ)が載っていました。
著者はこの短歌を、いまなら「針に糸を」とし、助詞は抜かないと述べています。
「を」がなくても、というか入れない方がわたし好きなんですけど、短歌のプロから見ると「う〜ん、、推敲したい…」となってしまうのでしょうね…
そうなんですね…
とまあ、川柳と短歌の違いもちょっと感じることができて、その点でもおもしろかったです。
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本編の短歌よりも、巻末作品として収録された短歌のほうが、好きなものが多かったです。
以下、好きな短歌をいくつか。
【本編より】
・詩集から顔を上げれば息継ぎのようにぼくらの生活がある(65ページ)
・ショッカーの時給を知ったライダーが力を抜いて繰り出すキック(77ページ)
・細々と暮らしたいからばあさんや大きな桃は捨ててきなさい(77ページ)
・リクルートスーツでゆれる幽霊は死亡理由をはきはきしゃべる(78ページ)
【巻末作品より】
・先生へ、あなたの胸でねむる夜以外はすべて手に入れました。
・気を抜けば平凡となる人生へ西荻窪という劇薬を
・どこへでも行けるあなたの舟なのに動かないから棺に見える
ちょっと影のある短歌が、好きなようですわたし。
- 感想投稿日 : 2023年4月7日
- 読了日 : 2023年4月7日
- 本棚登録日 : 2023年4月7日
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