真珠湾を語る: 歴史・記憶・教育

制作 : 矢口祐人 
  • 東京大学出版会 (2011年12月7日発売)
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本棚登録 : 13
感想 : 1
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回送先:品川区立荏原図書館

真珠湾攻撃という出来事に対して、どのようなフォーカスをもって応じるべきなのか――長らく近代史の歴史教育の教材研究の研究会として活動してきたグループによる自問自答の記録集。特徴としては、断罪や結果論を自らの禁忌として位置づけ、その上で問うべき課題とは何かについて真摯なまなざしで見つめている。

ただし、それでもなおその真摯さを自らの主張との整合性にあわせるような「引き回し」が見られ(当然これらに反論する論文も収める格好である)、その出来事は誰にとってどのような価値となって言語化されるのか、というジレンマのような問いを答えざるを得ない格好になっている現状も同時に垣間見ることができる。私たちが答えねばならぬ問いの大きさと四手を組むにしても。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 借受:23区
感想投稿日 : 2012年4月25日
読了日 : 2012年4月25日
本棚登録日 : 2011年12月6日

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