本の表紙はぱっとしないけど、中身を一見してみて、取っ付き易い印象だったので読んでみた。マーケティングの理論を教科書的に知識として教えるのではなく、あくまでツールとして必要なものを必要な分だけ解説する、というスタンスの書き方なので、話に無駄が少なくて読みやすかった。「マーケティング勉強しました」といえるようになるには、この本だけでは全然足りないだろうけど、マーケティングってどんな分野なんだろう、という全貌をざっくり知るには十分だった。
[読書録]==============================================
■ 第一章:営業効率を高める
セグメンテーション:同じようなニーズを持つお客を分類すること。基準は消費者インタビューから、自分で見つけていく。
ポジショニング:自社製品の位置づけ。
お客のパーソナリティによる5分類:①イノベーター、②アーリーアダプター、③アーリーマジョリティ、④レイトマジョリティ、⑤ラガー
アーリーアダプターはオピニオンリーダー。アーリーマジョリティに大きな影響を及ぼし、自然に宣伝してくれる。
■ 第二章:効果的なプロモーション活動を展開する
購買意思決定プロセス:AIDA:注意(Attention)⇒関心(Interest)⇒欲求(Desire)⇒行動(Action)。
4つのプロセスのどこに位置するかで、プロモーションの方法は違ってくる。
5つのプロモーションの手法:広告(⇒Attention)、販売促進(⇒Action)、パブリシティ、人的販売(⇒Desire, Action)、ダイレクト・マーケティング
意思決定プロセスの段階に応じて、プロモーションの手法をミックスする。全く認知されていない商品を売るのに、人的販売(営業マンを使って)「売ってこい!」などというのは全くナンセンスな発言。
ダイレクトマーケティング:お客が欲しいと思ったら、その場ですぐ買える手法
重回帰分析:5つのプロモーション手法のうち、どれが売上向上に強く影響しているかを調べる。影響を与える要因が複数あって、影響を受ける要因(結果)がひとつの場合に、複数の要因の中で、どれが結果に対して最も強く影響しているのかを見つけ出すときに使う分析手法
認知の階層構造:未知⇒認識⇒想起⇒トップオブマインド
■ 第三章:事業の多角化、新商品開発を考える
プロダクト・ライフサイクル:導入期(如何に知ってもらうか)⇒成長期(ブランドの確立/設備投資)⇒成熟期(ライバルとの差別化)⇒衰退期(撤退準備)
既存の商品が成熟期にあるときこそ、新商品の成功チャンス。
■ 第四章:顧客を維持して儲けを最大化する
既存顧客は新規顧客より儲かる。
顧客満足(CS)を高めると、顧客ロイヤリティが高まる。それに伴い収益性や利益も向上する
顧客のCSを高めるには、まず従業員の仕事満足を高める必要がある。いやいや仕事をしている従業員がお客さんと接しても、お客さんは満足しない。従業員の職場に対する愛情が、お客さんに対しての奉仕に繋がる。
■ 第五章:新規事業を立ち上げる
収益性分析:①業界内の既存企業の競争、②代替品の脅威、③新規参入の脅威、④売り手の交渉力、⑤買い手の交渉力
「代替品」とは、一見して分かるものだけではない、根気よく探さないといけない。
- 感想投稿日 : 2010年10月3日
- 読了日 : 2010年10月3日
- 本棚登録日 : 2010年10月3日
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