14歳からの天文学

著者 :
  • 日本評論社 (2017年7月10日発売)
3.71
  • (5)
  • (4)
  • (2)
  • (2)
  • (1)
本棚登録 : 79
感想 : 8
4

『感想』
〇昔から宇宙について神秘性を感じていた。ただこれはよくわからないから感じていたのだが、今この本を読んでみると、分からないことが分かったことで神秘性を持てている自分に気づいた。

〇いやあ、14歳で理解できる子はほとんどいないでしょ。私もわからないところばかり。でも専門書をやさしくかみ砕いてくれているのはわかる。

〇数字や時間が余りにも大きすぎて、本当の意味での違いが分からない。でもとにかくすごいということは分かる。

〇光の三原色(赤・緑・青)と色の三原色(シアン・マゼンタ・イエロー)の違いについて、なるほどと納得した。この説明を学生時代にしてもらえれば、よくわかったのに。色の三原色の原因になっている人の視細胞が、光の三原色を作り上げているのだから相互互換(と言っていいのか)関係になるが、色の三原色を均等に混ぜ合わせると黒になるが、光の三原色を均等に混ぜ合わせると白になる。光は人が勝手に色づけしたものであり、白が作り出せることが衝撃であり納得。

〇知ってはいる言葉の再定義ができた。今だからこそ多少は理解できる。

〇この中身を14歳で興味を持ち、理解ができるような人が、宇宙の仕事について新たな発見をしていくのだろう。

『フレーズ』
・虹の7色の色の名前は、赤橙黄緑青藍紫(せきとうおうりょくせいらんし)(p.6)

・地球と太陽の距離(1億5000万km)は、地球と月の距離の約400倍。太陽と月の大きさも約400倍。現在は大きさの比率と距離の比率がピッタリ。(p.59)

・光の三原色は赤・緑・青のことで、均等に混ぜると白になります。(略)光そのものに色がついているわけではなく、人間の脳内で色は認識(着色)されるのです。(p.81)

・ダークマターの正体は不明ですが、すくなくとも通常のガス物質のようなものではなく、お互いに衝突しない(相互作用の小さな)何かの素粒子のようなものです。(p.176)

・ビックバンというと”爆発”のイメージが強いですが、ビッグバンは、すでに存在していた空間の中での通常の爆発とはまったく違うものです。時間と空間が誕生したときに、時空そのものがきわめて高いエネルギーだったという意味で、時空が”爆発”のように広がり始めたという意味です。(p.186)

・この宇宙は非常にデリケートに幸運な状態になっていることがわかってきました。宇宙の構造や物理定数(光速度や万有引力定数など)が、星や生命が存在できるような値に奇跡的に微調整されているとしか思えないフシがあるのです。(p.204)

・この宇宙のありようが、生命の存在にとって”ちょうどいい”ように調整された状態になっていることを、天文では”ゴルディロックス”という言い方で表現します。(p.207)

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 歴史・科学
感想投稿日 : 2020年9月20日
読了日 : 2020年9月20日
本棚登録日 : 2020年9月20日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする