タイトルと目次を見て、個別所得補償制度を批判し、TPPを擁護するのかなと期待して読んだ。しかし、個別所得補償制度の対象が広すぎる、選択と集中が欠けていることを非難する一方で、農業のTPPにも反対であった。理由は、日本が強いとされている産業だって今開いて他の国との競争に勝ち残れるか疑問であるからということだった。その点はあまり納得いかないが、他の点についてはとても興味深いと感じた。日本の農業とTPPを全く別物として議論するべきだと説いている。農業が経営を忘れ完全に国の援助に甘んじている状況を危惧し、農業の競争力を付けさせる施策を論じている。また、メディア出身の筆者であるから、食に関するメディアのあり方についてはなかなかの批評をしていると感じた。
最初が少し難しいし、一つの論点について多方向から攻めているから話題についていくのが大変だが、ひとつひとつはなかなか面白い。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
政策(全般)
- 感想投稿日 : 2012年1月1日
- 読了日 : 2011年8月29日
- 本棚登録日 : 2011年8月29日
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