クトゥルフの呼び声 ラブクラフト傑作集

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ラブクラフトが1928年に発表したもので、彼が創造したクトゥルフ神話の代表作のひとつです。クトゥルフ神話とは、太古の宇宙からやってきた恐ろしい存在たちが、人類の運命を暗躍するという架空の神話です。この本では、その中でも最も有名な怪物クトゥルフと、彼を崇める邪教の陰謀に巻き込まれていく人々の物語が描かれます。

古文碑文字の研究者だった叔父の遺品を整理していたフランシス・ウェイランド・サーストンは、叔父が残した不気味な文書を見つけます。それは、クトゥルフが南太平洋のリレー島に眠っているという驚くべき内容でした。サーストンは、叔父が何者かに殺された真相と、クトゥルフの目覚めを阻止する方法を探るために、世界各地の手がかりを追います。しかし、彼は知りません。クトゥルフの信奉者たちは、サーストンの行動を監視し、邪魔するつもりだということを…。

この本のテーマは、人間の無力さと恐怖です。本書では人間はクトゥルフという超越的な存在に対して何の抵抗もできないことが示されています。クトゥルフは、人間の理解を超えた力と知性を持ち、人間の歴史や文化に影響を与えてきました。しかし、人間はその存在を忘れてしまい、自分たちの世界が安全であると錯覚しています。しかし、クトゥルフはいつか目覚めて、人間を滅ぼすといい、その時、人間は自分たちの無力さと恐怖に気づくのです。この本は、人間の無知と傲慢さを暴き、人間の運命を暗示しています。

この本を読んで、私はとても不安になりました。本書の登場人物たちは、クトゥルフの恐ろしい真実を知ってしまったことで、ことごとく精神的に苦しんだり、命を落としたりします。このように、本書は、人間が自分たちの世界に安心していることが、どれほど危険で愚かなことかを教えてくれます。

ラブクラフト独自の神話世界を展開する本書には、クトゥルフをはじめとする、古代の神々や異星の生命体が登場します。これらの存在は、ラブクラフトが創造したクトゥルフ神話と呼ばれる一連の作品に共通しています。クトゥルフ神話は、ラブクラフトの想像力と知識の豊かさが反映された、壮大で緻密な世界観です。この本を読むことで、クトゥルフ神話の一端に触れることができます。クトゥルフ神話に興味がある方には、最初の一冊としておすすめします。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説(ホラー)
感想投稿日 : 2024年2月24日
読了日 : 2024年2月24日
本棚登録日 : 2024年2月24日

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