とってもおもしろかった。ふたりを巡る運命と惹かれ合う気持ちとがとても読まされる。とても優しく人懐っこいグシオン王にかけられた呪いの惨さに涙が止まらず、その孤独を思うと胸が痛くて堪らなかった。そしてそれを知ったリディルの絶望、罪悪感ーー。一生懸命声を上げてもグシオンに言葉が届かず、涙ながらに過ごす姿が見ていてつらくて苦しかった。グシオンが死んでしまう、と魔法円に剣を刺すところは、その想いと覚悟に胸打たれる思いだった。
リディルの幼少期のことが明かされて、母の痛いほどの想いと罪悪感を知って、でもこれまでのリディルを思うと複雑な気持ちもあって。きっとこれからは大丈夫と思えて本当によかった。
常にグシオンの側にと、リディルが制止を振り切り戦場を駆ける姿や、イドの制止を聞き入れない跳ねっ返りというか頑固なところも少年らしく好ましい。王の呪いを解いた勇者は誰かという話はクスリとしてしまう。これからも仲睦まじく過ごして欲しい。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
あ行
- 感想投稿日 : 2020年9月5日
- 読了日 : 2020年9月5日
- 本棚登録日 : 2020年9月5日
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