頬にしたたる恋の雨 (ディアプラス文庫)

著者 :
  • 新書館 (2012年8月9日発売)
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本棚登録 : 152
感想 : 13
5

興行師の瀬島×元落語家の万歳師・文彦。昭和初期・万歳黎明期の大阪が舞台。
とてもおもしろかったです。ふたりの恋物語はもちろん、文彦が失意から新しい道を歩みだす過程がとても引き込まれました。文彦の周りのひとたちの人柄が、読んでいてとても気持ちよいのもよかったです。団子と文彦の褒め合いは延々続きそうで微笑ましい。真寿市師匠の存在感も大きかったなぁ。
最後の短編は戦後のお話。団子の息子から語られる戦時中の話が胸に迫り、そしてそのときのふたりに思いを馳せずにはいられませんでした。いつまでも穏やかな仲睦まじい様子が見られて本当によかったなと思います。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 久我有加
感想投稿日 : 2019年2月19日
読了日 : 2019年2月19日
本棚登録日 : 2019年2月19日

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