シュルレアリスムとは何か (ちくま学芸文庫 イ 24-1)

著者 :
  • 筑摩書房 (2002年3月6日発売)
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本棚登録 : 905
感想 : 62
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あとがきで巖谷さんも述べていますが、本書『シュルレアリスムとは何か』では、そのダイダロス的迷宮としてのシュルレアリスムにおいて、ミノタウロスの姿こそ見せたものの、その全貌は明らかにされていません(要は宙吊り)。
確かに、語り始めるときっとキリがないのでしょうが、それでも十分にレリーフしてくれているので、とってもためになるしありがたい本でした。
そして、なんと言っても特徴的なのは、この本が講義の内容を文字に起こしたものだ、ということで、その内容自体が幾分か「自動筆記」的であって面白いんですよね。「シュルレアリスム」「メルヘン」「ユートピア」と話題を転じて論じながらも、巖谷さんの言う連続性が垣間見えるような気がして、読み物としても興味深かったです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年3月2日
読了日 : 2022年3月2日
本棚登録日 : 2022年3月2日

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