愛を知らずに育った少女が、何ものよりも尊い愛を見つける物語です。世界でいちばんうつくしい愛のためならば、何を犠牲にしても構わないという過激な思考も持ち合わせていますが、それも、ようやっと芽生えた愛情を、世界の煌めきを守るための自己防衛とも考えられるでしょう。また、少女──「さとちゃん」は、共感覚に似た感性を抱いていると考えられます。他者の感情、自身の所感を味覚的に表現をすることも多く、それが一層作品に色彩を与えているのだと考えられます。とても、愛に充ちた物語です。愛を貫き通すためにも犠牲は憑きもので、哀しくなることや、少女たちを責めたくなることもあるかもしれません。しかし、愛を、こころを守るためという一貫した信念があるため、わたしは嫌悪感を抱きませんでした。素敵な物語ですので、ぜひ、一度読まれてみてはいかがでしょうか。
わたしへの追伸:結末はまだ読んでいないけれど、犠牲者が多過ぎて哀しくなるかも知れないなあ。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2020年5月28日
- 読了日 : 2020年5月28日
- 本棚登録日 : 2020年5月28日
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