「わたしがいたらぬばかりに、もうしわけないことでございます」
作中で何度となく出てくるこの台詞、反芻すると色々と想像できて味わい深いなぁと思いました。それは、愛情でもあり、恨み辛みを込めた呪詛のようにも感じます。
四谷怪談が物語のベースにあるだけに観る前から話の流れは大体予想できてしまうわけですが、それでも本作が持つ終始暗く冷たい雰囲気に次第に引き込まれていた私でした。劇中劇である四谷怪談の舞台装置の出来も非常に良かったですよね、幻想的でありながらおどろおどろしくもあり、雰囲気を作り上げるのに効果的だったと思います。対象を支点として円を描くカメラワーク、かっこよくて印象的でした。三味線に代表される効果音、お岩へと変貌した柴咲コウさんの登場を予感させるビニールシートの伏線、偏執的なまでに瓶詰めされた小物の数々…ホラー色を出すにあたって色々と秀逸だなぁと思わせる演出が光っており、見応えがありました。
それにしても市川海老蔵さんは伊右衛門がよく似合いますね、ハマり役に思えるのは何故でしょうか(笑
余談ですが、本作は日本語字幕のON/OFFが選べます!私は、音声が聴き取りづらいことがあるので邦画こそ字幕を付けて欲しいと常々思っているのでこれも嬉しいポイントでした。
読書状況:未設定
公開設定:公開
カテゴリ:
邦画
- 感想投稿日 : 2015年2月20日
- 本棚登録日 : 2015年2月19日
みんなの感想をみる