ベケット入門書としては最良の一冊。ベケットの生涯を追いかけながら彼が作り出した作品の数々を簡明に紹介してあり、その意図が少ないページ数ながらよくわかる様になっている。特に注目なのが100点以上もの写真で、彼の戯曲のインパクトやそのユーモアが明瞭に表れている。小説の草稿に残っている様々な落書きがまたキュート。表紙もそうなんだけど、晩年のベケットの写真はむちゃくちゃかっこいい。生きることそのものが積み重なった佇まいだ。「…わたしは今までいちどもどこかへ向かって進んだことはありません。ただ進むだけです。」
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
評論/研究
- 感想投稿日 : 2014年6月17日
- 読了日 : 2014年6月17日
- 本棚登録日 : 2014年6月17日
みんなの感想をみる