Q&Aこころの子育て: 誕生から思春期までの48章 (朝日文庫 か 23-4)
- 朝日新聞出版 (2001年10月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (228ページ)
- / ISBN・EAN: 9784022642776
作品紹介・あらすじ
「子育てが嫌」「子どもを叱ってばかりいる」「いじめにあったら」「子どもが学校に行かない」「親の思いが通じない」…誕生から思春期までの子育ての悩みや不安に、臨床心理学の第一人者・河合隼雄がやさしく答える。もう細かいことで悩まなくてもいいと、こころがホッと楽になる一冊。
感想・レビュー・書評
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本書に掲載されている未熟な、時には愚かともいうべき質問の数々。自分も身に覚えがあるもの、身につまされるものばかり。河合隼雄が、まるで池の主の大ナマズのように、どっしりと質問に答えてくれています。
本書に一貫して見え隠れしているのは、「親が本気で生きないでどうする!」という、ただその一喝。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
子育ては自己実現。
自分のような自分でないような人間をいかに育てるかというすごい体験。
ママ友には、育児は育自と言われたけれど、すごい体験をできていることに感謝。
思うようにならないことほどすごい、人生はそんなもの。
そんな中、こどもに誇りをもって、自分で責任を取って生きていける人に育てたいと思った。
親は子どもにとって世界そのもの。親自身が自分の個性を発揮して、自由にのびのび、子どもと向き合ってちゃんとつながっていくことが大切。
子どものやりたいこと、好きなものを引き出し、あーおもしろかったね!っていう体験を親子で一緒につくっていきたい。 -
☀️
〜親の「あり方」がわかる〜
ママ専門コーチのゆうきです。
▷ママがワクワクする本紹介→ https://www.instagram.com/bookmamaaaa/
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いつもご覧いただきありがとうございます♪
ーー内容ーー
臨床心理学の第一人者・河合隼雄さんが誕生から思春期までの子育ての悩みや不安に、やさしく関西弁で答えてくれる。もう細かいことで悩まなくてもいいと、こころがホッと楽になる一冊。
ーー感想ーー
48のQ&Aだからどこからでも読める手軽さだけど、学びが深すぎる。
20年以上前の本だけど古臭さはなく、どのページも新鮮さと愛に溢れていて、泣きそうになるほど。
それはきっと、「言い方」「やり方」ではなく、こころの「あり方」が書かれているからだと思う。
例えば・・・
〜〜〜
Q. 小言をどうしても言ってしまいます
A. 5秒待って様子をみる。「へぇ」「は〜、○○なんだね」などと言って待つ。すると続きが出てくる。それが本当に言いたいことだ。一方的に説教をするのではなく、子供に対して「開かれている」という状態が大事。
〜〜〜
「開かれている」って何?と思うかもしれないけれど、これはまさにコーチの「あり方」そのものだと私は感じた。
評価判断せずに、そのまんま相手を受けとめる。それがコーチングで学んだことであり、著者の言うことと共通している気がする。
親が「開かれている」状態になるには、まずは親自身が誰かに「開かれる」経験が必要だと思う。
家族、友達、同僚がそうしてくれるなら最高だけど、そうでなければコーチングをお勧めする。
私もさっそく意識しよう!と決心した直後、「ママ〜早くご飯作ってよ!」と言われ、小言のひとつでも言いたくなるあたり、まだ修行が足りないようだ。
あなたのこころは、開かれていますか?
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最後まで読んでいただきありがとうございます -
読んでよかった。読みやすかったし。
子育てに回答はなくて、各々体当たりで子どもと向き合え!(超意訳)ってことで、逆にそのようにしていれば、取り返しのつかない間違いというのも無いんだろうな…と思うとちょっと楽に感じられるし、ワクワクする感覚も出てきた。 -
「こころを育む育児」を学びたく手に取った1冊。
私はいわゆる「毒親」の元で育ったため、自分が親になった今、とかく子供への接し方を試行錯誤する日々を送っている。
「自分と同じ思いはさせたくない」という思いから、言葉かけや関わり方を意識しすぎてピリピリしてしまうこともあった。
本書の中で河合先生は、
・等身大の自然な親の姿を子に見せること
・子どもの自然な感情、そして親自身の自然な感情の湧き起こりも受容すること
が大切だと仰っている。
私は「自分と同じ思いをさせないために」と神経質になっていたが、それよりも、
・自分が辛かったという事実
・同じ思いはさせたくないが、自分も親同様の未熟な行為をしてしまうことはある(完璧ではない)こと
・親になった自分も完璧ではない、ただの人間であること
そのような"ありのままの自分"を受け入れ、その上でのんびりと、楽しみながら生きていくことが大切なのだと認識できた。
子育てに悩みは尽きないが、河合先生のように、大切なことから目を逸らさないまま、軽やかに楽観的に生きていきたい。 -
少し古い本なので、子育て論が現代には合わないんじゃないかと心配しましたが
全くそんなことなく!1999年刊行にも関わらず、そんな前から現代社会に通ずる子育ての考え方があったとは驚きです。そもそも、世の中が変わっても代々続く人間は人間なのですから、当然と言えば当然で、人のこころの成長に必要なものの本質は変わらないのに、取り巻く社会に翻弄され、大人は子どもを見る力が弱まるのか、不安に苛まれています。
今一度、こころを使うことを意識しよう。大人がこころを使えば、子どものこころが躍るのです。
大人も子どももこころは相反する傾向がある。マイナスの気持ちがあるのを肯定すると、プラスの方が動き出す。焦らずに自分の気持ちを受け入れる。
子どもの泣いたり、怒ったりを止めないで受け入れてやると、その気持ちから抜けていける。…
涙が出ました。
現在、噛み締めながら読んでいます。 -
臨床心理士の方とお話していて、子育てについてわからない…と嘆く私に、読書が好きなら読んでみたら…と何気に薦められた。白か黒かで生きてきた
私に、グレーを教えてくれた。 -
・結婚相手として近い杭との間に網を張った人は楽だが、魚の収穫は少ない。遠い杭との間に網を張った人は、網を張るのには苦労するが、張ってしまえば魚の収穫は多い。似た者同士で近くの杭と網を張るか、違うところ、対立するところに魅力を感じて、遠い杭との間に網を張ろうとするかは、その人の運命としかいいようがない。
・親の経験には、絶対子どもよりも上のことがあるんです。子どもが「うん、なるほど」と納得する事があるはずです。絶対にあります。それを探さなければならない。それなのに、親はついついお金で換算したり、一般的評価に頼って物を言おうとするから、子どもはすごく腹が立つわけです。 -
河合隼雄の生前には僕は彼の本をほとんど読んでいない。フロイト、ユングという心理学の大家の流れに違和感を感じていたというのが大きな理由だろう。死後、その語り口を見るにつけ、もったいないことをしたなあ、と反省する。
河合隼雄のよさはその「語り口」にある。口調こそが大切なのである。ここでも、思春期までの子育てのアドバイスであるが、そこには「専門家の」偉そうな押し付けはない。いや、「ニセの専門家は、すぐえらそうに、あれをせよ、これをしなさいと言うからすぐにわかります」(175ページ)と一刀両断である。子育てや発達心理学のようなエビデンス希薄な領域において「断言」することがいかにプロフェッショナルな倫理や自分の専門領域のプライドからかけ離れていることなのか、心底理解されているのだと思う。
ニセの専門家は本当に多い。彼らの語り口は常に断言口調である。これはよい、これはだめとさしたる根拠もなく断言する。そこからこぼれおちた人間には冷淡である。本当の専門家はアノマリーも許容できるものなのに(ある程度は)。「ほんとうの専門家なら「心配しないように」と言ってくれると思います。ニセの専門家というか、「平均と違うからあなたのところは問題だ」と言う人もいるので困るんですが。ちゃんとした人なら、「これぐらいのズレは大丈夫です」と言ってくれると思います」(97ページ)。
このくらいのズレなら大丈夫、と毅然といえるのが本物の専門家なのだと僕も思う。ズレを一切許容しないのは、知識の深みが足りず、カテゴリーで善悪を断罪するしかできない「ニセもの」なのである。 -
子どもをあるがままに尊重する、ちゃんと聞く、どうなってもつながり続ける、愛と子育ては難しいが、頭で考えすぎず、感情も大切に、人間らしく自然に、というのがとても大事。自我実現と自己実現の関係や、コントロールできる自我だけでなく、自分の一部としての子どもも含めた自己実現こそ子育て、そのゴールとしての自立や子ども自身の幸福など、関係性の理解も進んだ。