- Amazon.co.jp ・本 (326ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062135993
感想・レビュー・書評
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【あらすじ】
作家であり出版社の社長でもある著者は編集者のサワダさんから3人の占い師の取材を依頼される。
サワダさんが選んだ占い師はいずれも実績のある実力者だった!
気が進まないながらも仮名で電話での取材を始めたところ、何と言い出しっぺのサワダさんが失踪したのだった!
果たしてサワダさんはどうなるのか!そして取材はどうなるのか!?
【感想:占い好き必読!占い潜入捜査ドキュメントエンタメミステリー!】
私自身占いが好きなもんで、本書の取材は非常に興味深いものです。
私も占い好きが高じて算命学や周易や手相なんかを勉強していますが、それはあくまでも知識レベルであります。霊感のようなものは全くありません。
自分には霊感がないだけに、霊感で占う方を非常にうらやましく思うし、尊敬します。
で、本書の取材対象の3人の占い師は全員本物のようです。私も占ってほしい。
そして取材はどうなるのか?丁度著者の仕事上も色々な事件が発生し、著者は占い中毒のようになっていきます。占い師の言葉の使い方で感情が大きく揺れ動いたりします。こういう描写は占いに興味がある者にとって勉強になります。
本作品は果たしてノンフィクションなのかモキュメンタリーなのか?
何しろサワダさんの行動原理がよく分かりません。このような行動を取る人が本当にいるのでしょうか?
フランスに行って行方不明になるとは、本来なら警察沙汰になるところですが、家族も会社もあまり騒いでいるように思えません。それに行方不明になったまま会社には籍があったのでしょうか?さらに事故死したらすぐに会社や家族に連絡が来て葬式を行うとは。分かってたんかいや?!
どうもよく分かりませんが、もし本作品が事実なら「事実は小説より奇なり」を地で行く話です。
まあそれはともかく、物語自体は著者の仕事や人間関係でも事件があり、それに占いがどう絡むのか、非常に興味深いものでした。
そして、物語序盤の回想シーンで描かれた子ども時代の辛い思い出がクライマックスで再び登場するのが良かった。
結局、著者自身に鋭い直観力があり、占い師の予言を覆して素晴らしい未来を引き寄せたということなのでしょうか?
その後も3人の占い師との交流は続いているのでしょうか。
【追記】
他の方の感想を検索していると、どうやら万葉さんは実在する方のようです。知っている方にとっては当たり前のことですが知らない者にとっては分からないものです。
本作品は一体どこまでが事実でどこからがフィクションなんでしょうか。そういうことを語り合う楽しみもあります。プロレスに通じる楽しみではないでしょうか。
万年週末占い研究青年の覚え書き
井形慶子【四人の占い師と編集者S失踪事件】
占い潜入捜査ドキュメントエンタメミステリー!
https://iching.seesaa.net/article/498153242.html詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
表紙を見て思ったのは「あれ?これ恩田陸の小説?」ってこと。
どうにもノンフィクションっぽくない。
読み終わった今も、これはノンフィクションを謳ったフィクションなのではないかと疑っている。
以前に仕事でつきあいのあった編集者から突然、「霊感を持つ人々の実態をつきとめてください。すぐに」と仕事を依頼され、取材用の偽名と携帯電話を渡される。
で、3人の占い師と連絡を取るわけだけど、潜入取材って言ったって、名前を隠して自分の悩みを相談してるんだよ。
彼女は雑誌を発行している小さな出版社の社長であり、ライターでもある。
仮名にしているとはいえ、自分のところの社員への不満とか相談していることを、本にしちゃっていいのだろうか?
使えない社員のことは相当詳しく書いているけれど。
「急いでくれ」と頼まれた仕事なのに、5年も潜入していていいの?
さらに、後日判明したことだけれど、この取材費200万(占いの相談料)は、依頼した編集者が私費で払っていた、と。
仕事ってそういうもの?
毎日のように3人の誰かに連絡しているようだったけど、それなら200万円は5年も経たずに無くなってしまうのではないだろうか?
ほとんど完全否定のような気持ちで読んでいたのは、著者が占い依存なのではと心配になるくらい、日々の細かいところまで占い師たちの声を聞かないと不安を感じるようになっていたから。
「それは行き過ぎた行為だ」とブレーキをかけないと、読んでいるこちらも引っ張られていきそうな気がしたから。
この本でスピリチュアルの何がわかったかと言われたら、特に何もわからない。
全てを見通す目をもった人は存在すると言われたら、否定する根拠を私は持たないから。
私としては運命と人の意志は、フィフティフィフティであってほしい。
人知では測ることのできない存在があってもいいけど、運命だけで全てが決められたら、それは嫌だな。
そしてこの人の文章は実に吸引力があって、これだけブレーキかけながら読んでいたのに、結構一気読みでした。 -
著者はイギリスから豊かな暮らしと生き方を紹介する雑誌『ミスターパートナー』の編集長です。内容は、知人の社長が占いに運命を翻弄されるという話です。占いにより予言された運命に逆らい、彼は生き延びることができるか否か…この話、実はノンフィクションなのです。
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この話はノンフィクションであることが大事。3人の電話鑑定の女性を取材しているうちに起こる数々のことは、予言されていた。。。目に見えないものの実態を考えさせられる。この本から強いメッセージを受け取れる人は、きっとこの本に呼ばれたんだと思います。
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数年前に評判になった本です。遅まきながら読みました。
占い好きなら
読み出したらやめられない。
http://rimaroom.jugem.jp/?eid=567 -
編集の仕事をしている著者によるノンフィクション。だけど小説のようなスピード感。
ある人から頼まれて、普通の客を装って占い師への潜入取材をしていくうち、
「先が見える」「人の心が分かる」という安心感(と同時に不安感)にハマっていく著者。
先が気になって一気に読んでしまった。結局何が言いたいのかは良く分からないけど、
「見える人はいる」と確信している私にとっては、そうそう、そうだよねと
思える内容だった。
鋭すぎる直感を、どう人生に生かすのか。
いろいろと考えさせる本。
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「占い、スピリチュアルブームの中で著者は霊感と未来を読む力の解明にのりだす。5年にわたる潜入取材の間に、次々に起こる不思議な出来事!人間の運命を操るものの正体とは?息もつかせぬ迫力で綴る渾身のノンフィクション。ついに解明したスピリチュアル世界の真実。」と帯にあった。
で、期待したが。
全然解明しようとしてくれないんである。逆に”電話カウンセリング”にのめり込む著者。完璧な信者となってしまう。・・・・・なんなんだよ?
上岡龍太郎さん程ではないが、占いを信じられない私としては、厳しい展開。
著者運営会社のドタバタ繁盛記みたいな話も混じって・・・・・・・・・・・・・
すごく遠めに見ると面白い作品なのかもしれない。
私にはそれしか言えない。(涙)
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小説として読むか実話として読むか?
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取材という名目で、作者は身銭を切ることがなく占い師に接近。
がしかし、仕事というレベルを超えて、占いにハマっていく。
おもしろいように占い師に誘導されていく。
その姿は病的。
占い師に翻弄された作者は、どうやってその依存から抜け出したか?