きのうの世界(下) (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 2404
感想 : 191
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  • Amazon.co.jp ・本 (360ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062770385

作品紹介・あらすじ

塔のある町が抱える秘密を住人たちは何も知らない。夜に塔を見てはいけないという町に伝わる不思議な教え。亀とハサミと天の川のステンドグラスが表す意味とは。殺された男は駅の掲示板に奇妙な貼り紙を持ち込み、誰かと連絡を取っていた。彼は町の秘密に触れてしまったのか。雨が降る。町の本当の姿が明らかになる。

感想・レビュー・書評

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  • 下巻の後半で全ての謎が明かされるが、真実は少し意外だった。

    不穏な雰囲気に包まれたストーリー展開ながら、蓋を開けてみれば、浮島という特徴のある土地には、その土地を守るための昔からの言い伝えがあったが、今では住人は細かい部分は記憶しておらず、その地をよく知る旧家と、その家族に代々特集能力を持つ人がいた、ということをベースに紡ぎ出された物語だった。
    そして、人並外れた記憶力とか透視のような能力を持つ人には、それなりの苦しさや心身への負担があるんだな、と思った。自分は凡人でよかった。(笑)

  • サスペンスというより普通の物語として読むべき作品だと思います。
    サスペンスとして読むと伏線の結果が欲しくなってしまいますが、この作品はそこはあまり親切ではありません。しかし、本筋の謎はちゃんとわかるので、楽しめて読めました。

  • カテゴライズするなら、ファンタジーミステリー。

    上巻で散りばめられた謎の全てが繋がる展開を想像していたので、拍子抜けした。リアリティ重視の人は、消化不良に感じると思う。

    しかし、ミステリーとしては物足りないが、物語の雰囲気や設定はとても楽しめた。
    上巻の陰鬱さだが、終盤は朗らか!

    気負いなく読めるので、重苦しい本が苦手な人に勧めたい。

  • ミステリー作品で嫌いなことは、重要だと思っていた要素が実はどうでもいいことだったということと、登場人物の死が雑であることなんですけどね…
    途中まで割と楽しんで読んでたけど「あなた」の死がここじゃなくても良かったじゃん…双子が拾った地図もなにそれ…
    最終的に一番の謎とされていた市川の説明がガバガバで最後本当になにも入ってこなかった。そういう特殊能力ある設定なら常野物語でやってくれ…

  • 恩田陸のファンタジー。
    不思議だけど、しっくりくる。
    好き。

  • 色んな町の人の視点があって面白い。感じてる事や考えてる事が個々で違うけど、同じ不気味さが漂っていて終始不安感が拭えなかった。最後は賛否両論ありそうだけど、個人的には作者っぽさがあって良い終わり方だと思った。

  • 評価分かれるだろね

  • 恩田さんらしく、暗くて独特の雰囲気の中進められていく展開と散りばめられる謎の数々には読む手が止まりませんでした。が、最後の結末は私的にはいまいちでした。期待しすぎたのかも。

  • 上巻はなぞだらけで、わくわくしたけど、種明かしがちょっと無理があるかもと思った。
    映像にしたら、迫力があって面白い作品になりそう。

  • 上巻を読み終わった時に、なんとなく市川殺しの犯人がわかったような気がしていた。ちょっと違っていたけど、おおかた合っていたかな。ただ、読む人によってははぐらかされた気がするかもしれない。
    それにしても田中や「彼女」が何故死ななければならなかったのか?大きな謎が残る。田中はもう老体なので致し方ないとして、「彼女」に関しては、詰まる所市川の死の理由とある意味同じだったのではないか?

    常野物語が好きな人ははまる物語だと思う。

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著者プロフィール

1964年宮城県生まれ。92年『六番目の小夜子』で、「日本ファンタジーノベル大賞」の最終候補作となり、デビュー。2005年『夜のピクニック』で「吉川英治文学新人賞」および「本屋大賞」、06年『ユージニア』で「日本推理作家協会賞」、07年『中庭の出来事』で「山本周五郎賞」、17年『蜜蜂と遠雷』で「直木賞」「本屋大賞」を受賞する。その他著書に、『ブラック・ベルベット』『なんとかしなくちゃ。青雲編』『鈍色幻視行』等がある。

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