まゆみのマーチ: 自選短編集・女子編 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 64
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  • Amazon.co.jp ・本 (319ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101349299

作品紹介・あらすじ

まゆみは、歌が大好きな女の子だった。小学校の授業中も歌を口ずさむ娘を、母は決して叱らなかった。だが、担任教師の指導がきっかけで、まゆみは学校に通えなくなってしまう。そのとき母が伝えたことは-表題作のほか、いじめに巻き込まれた少女の孤独な闘いを描く「ワニとハブとひょうたん池で」などを含む著者自身が選んだ重松清入門の一冊。新作「また次の春へ」を特別収録。

感想・レビュー・書評

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  • 女の子にまつわる短編集。
    いじめにあってる子。

    まゆみのお母さんがまゆみに歌ってあげた、まゆみのマーチ、素敵だなぁって思った。読みおわった後、1分くらい余韻に浸っていたら、すーっと涙が流れてきた。
    子どもを理解するのって難しいんだろうなぁ。わかった気になっちゃいけないんだよなぁ、親は。自分が今子供の立場だから、自分が親になったら子供の気持ちがすぐにわかる親になれそう、とか思ったりするけど、そんなふうに思っちゃいけないんだろうなぁ。
    でも、これだけはするって決めてる。
    毎日ぎゅーって抱きしめること。

    3.11のお話も、難しいテーマなのに、気持ちよく軽やかに描かれていて、笑顔になれる素敵な作品だった。

    重松清さん、これからもよろしくお願いします。

    洗練された、きれいな流れるような文章が素敵です。

  • なんでこんなにリアルな子供達が抱える闇をかけるのか?
    重松さんすごい

  • 【まゆみのマーチ】は既刊の短編集から重松さん自身が選んだ5編と東日本大震災後に書かれた1編が収められています。
    重松さんの願いは、この本の著者印税を将来にわたって全額、あしなが育英会に寄付し、震災で親を亡くした子どもたちの支援に役立ててほしいというもの。
    作品も重松さんも素敵です。

  • なぜこんなにも胸を締め付けられるのか

  • カーネーション泣きました。
    その他は再読になりましたがやはり重松作品は心に響きます。

  • まゆみのマーチのお母さんが
    私のお母さんとそっくりで

    涙が止まらなかった


    母の大きな温かみを実感した。

  • 以前読んだ文庫に収録されていたお話と重複があったけど、再度胸を打たれ、考えさせられた。
    特に表題の「まゆみのマーチ」では、もし娘がまゆみのような性質の子供だったら、私ならどう接しただろうか?と考え込んでしまった。
    親としては子供のために一番いい方法を…と思っても、実はそれは気づかぬうちに親のための言動になっているのかもしれないし、はたまたある子には最善の方法が、他の子には毒になるかもしれかいし。
    親子関係だけでなく、人間関係は難しいなぁ…と、改めて思った。

  • ひさしぶりの読書

  • 「まゆみのマーチ」
    知らぬ内に限界を迎えて。
    自分が普通と違う事なんて簡単には気付けないだろうからこそ、両親がもっと早い段階で決断し彼女にとっての普通を探してあげていれば良かったのでは。

    「ワニとハブとひょうたん池で」
    ある日突然クラス全体が。
    スクールカーストが無い場所なんて有り得ないだろうが、何の前触れも無く全員から無視されるというのは心に来るだろうし辛いだろうな。

    「セッちゃん」
    自分の代わりになる者は。
    彼女自身のプライドや心を守る為には必要な事だったのだろうが、一歩間違えれば心の病となり得るぐらいに危ない状況であったのでは。

    「カーネーション」
    最期の母の日から変化が。
    いくら幼い頃とはいえ実の母親が亡くなった時を知っていると余計に再婚話はしずらいだろうが、こんなに優しく育ったのは彼の頑張りだろうな。

    「かさぶたまぶた」
    人それぞれ違うからこそ。
    冗談等を本気に捉えてしまったり受け流していい事を真剣に考えてしまう人は、多分とても生きづらいだろうが無意識だからどうにもならないんだろうな。

    「また次の春へ -おまじない」
    全てが消えたあの日から。
    安全な場所から一時的に居た場所に住む者達に逢いに行く事は互いにとって微妙な事であるのは確かだが、その場に友人と呼べた者が居るのなら探しに行くかもな。

  • 「まゆみのマーチ」。悟空の大冒険ってずいぶん昔のアニメで知ってる人はずいぶんの年配者。その世代も以外の世代も読者の対象になる。今回追加の終章「また次の春へ」も胸が熱くなった。2019.9.25

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著者プロフィール

重松清
1963年岡山県生まれ。早稲田大学教育学部卒業。91年『ビフォア・ラン』でデビュー。99年『ナイフ』で坪田譲治文学賞、『エイジ』で山本周五郎賞、2001年『ビタミンF』で直木三十五賞、10年『十字架』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『流星ワゴン』『疾走』『その日のまえに』『カシオペアの丘で』『とんび』『ステップ』『きみ去りしのち』『峠うどん物語』など多数。

「2023年 『カモナマイハウス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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