デカルトの密室

著者 :
  • 新潮社
3.20
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本棚登録 : 267
感想 : 50
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  • Amazon.co.jp ・本 (471ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104778010

作品紹介・あらすじ

世界的な人工知能コンテストに参加するためメルボルンを訪れていた尾形祐輔は、プログラム開発者の中に、10年前に夭折したはずの天才科学者・フランシーヌ・オハラという名前を発見する。本物なのか?同姓同名の別人か?訝る祐輔の前に現れたのは、紛れもなく祐輔の知るフランシーヌその人、そして彼女の姿をそっくり真似てつくられた、窮極のアンドロイド「人形」だった。混乱する祐輔に、彼女はとあるゲームを提案する。迷走するゲームの果て、祐輔は密室に幽閉され、フランシーヌは祐輔の作ったロボット・ケンイチに射殺されてしまう-。

感想・レビュー・書評

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  • デカルトから勉強しないとこの本の良さは分からないんだろうな
    ピンときませんでした

  • 瀬名さんの本は、
難しくて途中で???てなるんだけど、
すごくぐっとくるところが必ずあって、それで読んでしまう。
理解できてる自信はないけど。
    最後の方ついていけなくなって(泣)
最終的に、ケンイチに何をさせたかったのか?
意識はひとつじゃなくなって、ネット上に拡散して、世界中に人形が出回って。
でも、自我はひとつなんだよね?
フランシーヌは自分をユウスケの物語の登場人物にすることで、永遠を手に入れようとしたのか?
単純に、ユウスケを愛したかったのか?
それはいいとしても、真鍋は?
    色々わからないけど、やっぱりぐっとくるところがあるから、読む。
ユウスケとフランシーヌのやりとりとか、
HALのチェスの手とか、
指輪物語の引用とか。

  •  作品解説(帯より):『パラサイト・イヴ』から10年。あの瀬名秀明が、新たなる「脳と心」の謎に挑む! 奇妙な密室に閉じ込められた科学者は叫び、<ぼく>は、彼を捜してさまよう――。 人工知能は、自らの意思で「殺人」を犯すことができるのか? 人間と機械の教会は、「心」はどこにあるのか?

     「デカルトの密室」をようやく読み終えました。いや~、長かった。
     作品についてですが、「だるい」です。無駄に思える(多分実際に冗長だと思う)引用が多数出てくるので、テンポは悪くなりっぱなし。作品の性質上しかたないのかもしれませんが、5W1Hがかなりわかりづらい。同じく背景描写も微妙……。
     しかも、「以前○○の時に××した」という意味不明な文章が多数出てきます。(あとがきによると「メンツェルのチェスプレイヤー」の続編らしいんだけど……。帯にある「パラサイト・イヴから10年」っておかしいじゃん!)
     ジャンルもミステリーということですが、どこら辺がミステリーなの? って感じです。哲学もしくはテクノロジーとして読むのが一番おもしろいのではないでしょうか。
     よほど頭の良い人でなければ、一日で読むのは難しいと思います。気軽に読める小説を求める方にはオススメできません。

  • SF作品。難解すぎて、ラストがよくわからなかった。
    けれど面白かった。

  •  「知能/自我の定義」「自由意志と環境の影響関係」といったロボット工学のなかでも特に面白い(と私が感じる)課題が、一つの「物語」として形になっていることに興奮を覚えた。
     構想が浮かんでからの取材→執筆ではなく、研究会に触発されてからの構想→執筆という流れがありありと伝わってくる。

     非人間的な女性科学者という素材はありきたりではあるけど、ネットワークを介した同期現象、語り手を利用したメタ認識の操作といった仕掛けがとても面白い。「なぜ≪私≫の意識は同時に一つしか起ち上がらないのか」という疑問からさらに「意識ありきの主体からの脱出」という欲望につながるあたりのダイナミックさにも驚かされる。

     一つ欲を言えば、「密室」からの脱出方法にはもう少し説得力のあるものを用意してほしかった。 私も”青木”と同じく、デカルトの密室からの脱出はどうしたって不可能だと思ってしまう性質らしく、そもそも「物語を介した自我の同期」というのがいまいち呑み込めないというか、物語というものにそこまで強いリンク機能があるとも思えず最後の展開には理解に苦しんだ。
     一方で、人間独特の「信じる」という心的作用に対して、希望だとか期待を向ける表現は妙に気に入った。ロボットのケンイチは最終的にそれを手に入れるものの、実際「信じる」という心の働きはロボットには実装不可能なスーパー機能だと思う。フレーム問題という難問も「信じる」という働きの前には一刀両断。実感を基にした取捨選択の行動原理の明快さは、終始ダークな作品の空気のなかで爽やかに感じられた。

  • ヒト型ロボットが実用化された社会

    ロボットに心は存在するのか
    人間の意識は密室から解き放たれる事ができるのか

    内容がAIなだけに、人物に深みを感じられない(わざとかもしれないけど)
    ワタシの脳ではついていけません~~

  • 世界的な人工頭脳コンテストに参加した『尾形祐輔』は、十年前に人前から姿を消していた天才科学者『フランシーヌ・オハラ』と再開する。その彼女の仕掛けたゲームにより祐輔が密室に捕らわれている間に、彼の作ったロボット『ケンイチ』がフランシーヌを射殺し、その時の映像を再生するプログラムが何者かによりネットにアップされる。それは再生を繰り返すごとにネット上で変化をともないながら増殖していった。


    タイトルからするとミステリーのようだけど、実際はSFかな。
    ロボットに考えることは出来るのか?とか、決して嫌いな分野ではないのだけれど、ここまで難解な文章が続くとちょっとねぇ・・・。ちょっと作者の独りよがりな感じがする。
    さらに、主要人物の誰にも心情を寄せることができなかったばかりか、『フランシーヌ』や『真鍋』に至っては理解不能を通り越して気味が悪い。
    結局最後まで何が言いたいのか分からずじまいで、もやもや感だけが残ってしまった。

  • ロボットには心があるのか??

    小説家でロボット開発者の尾形と作られたロボット、ケンイチとパートナーの玲奈のシリーズ。

    瀬名氏のこのシリーズは好きで結構読んでいるのだが、理解はあまり出来ていない。
    難しいと面白いは比例しないというあるアンケート調査が有名なのだが。
    2001年宇宙の旅から始まり、不思議の国のアリス、デカルト、指輪物語。

    一体閉じ込められたのは誰で、何処から抜け出そうとしているのだろう??

  • 登場人物の説明口調が長すぎる。話が難解でこの物語について行ける人は限られるんじゃないかと思う。

    ロボット、もしくは、人の意識の話。「考える」とはどういうことかとか。

    HONDAのASIMOのCMが言及されている。CMで表現されている世界が理想の未来像なんだと。それについては、同意するけど。

  • 科学書より小説が面白くないのは‥テーマと小説上の技法の両面でチャレンジしすぎてしまった感がある。ところどころのトピックの面白さとか、これだけの内容を破綻無くまとめあげる力量は素直に感嘆するけど『面白かったか?』と聞かれると‥

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著者プロフィール

1968年、静岡県生まれ。東北大学大学院薬学研究科(博士課程)在学中の95年『パラサイト・イヴ』で日本ホラー小説大賞を受賞し、作家デビュー。
小説の著作に、第19回日本SF大賞受賞作『BRAIN VALLEY』、『八月の博物館』『デカルトの密室』などがある。
他の著書に『大空の夢と大地の旅』、『パンデミックとたたかう』(押谷仁との共著)、『インフルエンザ21世紀』(鈴木康夫監修)など多数ある。

「2010年 『未来への周遊券』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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