- Amazon.co.jp ・本 (410ページ)
- / ISBN・EAN: 9784569671949
作品紹介・あらすじ
闘うことでしか生きられない者たちに勝敗を決する秋が来た。楊家の男の証である「吹毛剣」を手に戦う六郎に、父楊業の魂が乗り移る。▼その剣に打たれたとき、遼国の名将・石幻果の記憶がにわかに蘇る。遼国に忽然と現われたこの男は、かつて宋遼戦で落馬し、記憶を失い、遼国に連れ去られた北平寨の将だった。過去を取り戻した石幻果は二つの人生を抱えてしまった運命を呪い、苦悩する。そんな石幻果に今を生きることを決意させたのは、父とも慕う耶律休哥である。▼一方、戦場で石幻果と出逢った六郎も、石幻果に既視感を覚える。不安を抱きつつ石幻果に近づく六郎。予感は的中した。▼運命に弄ばれる男たちの哀しみを描く慟哭の終章。綾なす人々の憎悪と哀しみが交錯する衝撃の結末。乱世の終わりを彩る壮絶な物語が、今静かに幕を降ろす。『水滸伝』に登場する青面獣楊志、楊令が佩く宝刀との奇しき因縁も明らかになる「北方楊家将」完結編。解説は森福都氏。
感想・レビュー・書評
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全2巻
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吸毛剣の出自を辿る長い旅をしたような感覚に。チンギス記をリアルタイムで読んでいるので、特にそう思う。また、チンギス記がいっそう楽しくなった。
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一見雄雄しい女性向け小説といえるだろう。登場人物が男女とも魅力的な人物に描かれており、筋立てはドラマティック。兄弟、親子、男女、上司と部下・・さまざまな愛の形が織り成されている。またあとがきの解説でも触れられているが、戦闘シーンよりむしろ戦の周辺の営み、軍の運営や兵馬、民の様子の描写などが生き生きしている。
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モンゴル族が騎馬を駆使して中国大陸を制覇できた理由がなんとなく理解できた。
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削ぎ落としたコトバで語られてきた楊令伝。この血涙も栄と遼と楊家との戦。血って。人って。個性って。国って。
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楊家の兄弟同士で潰し合わなければいけない非情なる運命。
柴礼の六郎に対する嫉妬、疑心、最後の死に兵としての扱いには壮絶な切なさを感じる。外殿という運命にとことん翻弄された血筋。
この非常さをうけついだのが楊令なのだなあと思うと、遼で幻王として動いていた楊令の立場や想いに付いても納得がいく気がします。
読んでよかった。
耶律休哥将軍と石幻果がお互いすんごくデレだしててかわいい。 -
なんという結末。楊業の死後、目まぐるしく変わっていく情勢。結局楊家軍は宋にとって、なんのための軍だったんだろうか。
様々な複雑な想い…
新楊家将ここに完結。 -
宋と遼の戦いがいよいよ決大詰め。
耶律休哥軍と楊家軍、そして石幻果と六郎の血の涙を流す戦いが決着する。
最後の六郎と石幻果が剣を交えるシーンは、圧巻で切なくて壮絶で感動的です。まさに熱い心と涙なしでは読めないシーンだと思いました。
太后視点のエピローグも、ああ終わったんだ…という感じがすごく出ていて、登場人物の心にぽっかり穴が空いているように、読んでいる私にもぽっかり穴が空いてしまったような気持ちになりました。
それから、英材のセリフ。ここから、北方水滸伝に楊家の血が繋がって行くのかと思うと、北方水滸伝がついつい読みたくなっちゃいました。特に4巻とか5巻とか6巻とか! -
北方シリーズ2冊目。どうでもいいんですけど、「北方○○」ってあると、どうしても「ほっぽう○○」と読んでしまう悪い癖。
さて、初北方だった楊家将からの続編。その間北方は読まず。いやー漢ですねー。かっこいー(^^)いやに見えてしまうのは宋軍のほかの将くらいw
運命というのか、なんというのか、楊家の兄弟たちのような経験なぞできるわけもないですが、だからこそ、かっこいいんだろうなーと思う今日この頃。