ホタル学 里山が育むいのち

著者 :
  • 丸善出版
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感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (128ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784621083895

作品紹介・あらすじ

南西諸島を除く日本国内で見ることができるホタル9種類の解説をはじめ、ホタルを取り巻く現状の問題点などにも言及。

感想・レビュー・書評

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  •  日本に住むホタルについての概略と,ゲンジボタル・カワニナの生態について簡単に解説してくれています。著者が撮影したホタルの写真も多数収録されています。巻末にはそれぞれの写真を撮影した時の撮影場所をはじめ,カメラの絞りやシャッター,露光時間なども書かれています。ホタルの撮影のしかたについても述べられていますが,これだけよんで撮れる人は,カメラそのものについてよく知っている人だと思います。
     ホタル見たさに,人工の川を作って成虫を放したり…ということについては,それは違うだろうと疑問を投げかけています。里山を再生することにこそお金を使ってほしいですね。
     
     「まえがき」で曰く

    「現代人がホタルに求めているものは何か。ホタルを見に大勢の人々が集まる現象は何を意味しているのか。自然が身近な場所から遠のいていく殺伐とした世の中だからこそ,私たちは,ホタルを通じて豊かな自然を求め,癒されたいと願っているのではないか。しかしながら,校庭や庭園,汚れた河川では,真に癒されることはなく,実際にホタルが棲んでいる自然環境を理解することはできない。ホタルを見て「きれい」と歓喜の声をあげても,見ているのは「ホタルの光」だけであり,背後の自然環境やその大切さに思いをはせることはない。」

     全編,著者のこの思いが湧き出ています。

     また,懐中電灯を持ってホタル狩りにいくことに対しても警鐘を鳴らします。

    「ホタルは,発光のみによってコミュニケーションを図っている昆虫で,暗闇があってはじめて繁殖できるのである。月明かりでさえ嫌うのだから,懐中電灯の灯りは,ホタルを惑わし繁殖を阻害するものとなる。発生期間全体を通じてもホタルの繁殖のチャンスは決して多くはない。(p.80)

     なお,著者が所属する東京ゲンジボタル研究所編集の『ホタル百科』という本の方が,ホタルについて詳しそうです。探してみます。

  • 短めで読みやすい感じ。著者はカメラが趣味で、後半はホタルの説明というよりも、カメラでいかにホタルを撮るか、という説明でした。

  • 副題-里山が育むいのち-半分以上が付録で,しかも1900円~日本産ホタル9種類の概要・ホタルの風景・ゲンジボタルの一生・カワニナについて・ホタルは里山の結晶である~ゲンジボタルが卵も幼虫も蛹も光ることを初めて知った。産卵場所は川際の苔。ゲンジボタルは蛹になる前に水から上がってくるのだが一晩中雨が降っていないと止める。ホタルを商売にするのに大反対で,100匹のゲンジボタルが生息するためには最低でも80万匹のカワニナが必要

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