- Amazon.co.jp ・本 (349ページ)
- / ISBN・EAN: 9784635340212
感想・レビュー・書評
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山の芸術誌・アルプ。山に関わる広範囲の文化を取り上げた月刊誌で、1960年に尾崎喜八さんと串田孫一さんが立ち上げられ、1983年の300号で終刊となりました。
本書は、アルプの制作に関わっていらっしゃった山口耀久さん、三宅修さん、大谷一良さんが、2005年にお亡くなりになった串田さんに追悼の意を込めて編集されたものです。表紙には「アルプ0号刊 串田孫一特集」と書いてありますが、山口耀久さんの後書きによると、本書はアルプの最終刊のような位置づけになるそうです。串田さんやアルプ関係者の作品、串田さんとお付き合いのあった方の寄稿、また串田さんの年譜や著作一覧で構成されていました。
これまで読んできた串田さんの著作は、串田さんの主観で書かれたものがほとんどでしたが、本書には周囲から見た串田さんに関する内容が多くありました。寄稿を読んだ限りですと、串田さんは、こちらが想像していた通り、博識・多才でユーモアもあり、また思慮深い人格者で、非常に魅力的な方だったようです。ご存命の内に一度お会いしたかった・・・。
本書を読み終えた後、串田さんが完全に過去の人になってしまったようで、寂しさを感じました。串田さんの著作は、著作数が多い上に絶版になったものが大半で、読めていない作品が多いのですが、焦らずじっくり収集し、これからも串田さんの世界を堪能していきたい。
本書とは全然関係ないのですが、北海道の斜里にある北のアルプ美術館に行ってきました。無料にも関わらず、アルプ関連の作品が充実していて、また館内や庭園の雰囲気も非常に良かったです。北の大地にアルプの種がしっかり芽生えていました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
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膨大な著作があるため、資料としても価値がある一冊。