モンキービジネス 2009 Spring vol.5 対話号

著者 :
制作 : 柴田 元幸 
  • ヴィレッジブックス
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本棚登録 : 152
感想 : 16
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  • Amazon.co.jp ・本 (349ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784863321410

感想・レビュー・書評

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  • 最初にこのムックを見たときは衝撃でした。今の出版業界でこんなことができるなんて、と。お買い得にもほどがある。

  • 村上さんへのインタビュー目当てで購入。
    インタビュー自体とてもよかったですし、川上さんと小川さんの対談もよかったです。
    文学への深い考えを、上品でなめらかに語り合う様は読んでいて心落ち着きます。
    アタシアタシ感が無いのがよいです。

    13.02.12

  • 春樹対談と小川洋子のにもうメロメロです。

  • 2010年1月29日購入

  • なんだか、ブラックでニヒルなおはなしが多い印象。
    読み終わった後ぼぉーっとしてしまう感じ。

    対談おもしろいー
    この4人の本を読みたくなる。

    うたの猿山にわくわく。

    素敵な雑誌です。
    カフカと日記とこのあたりの人たちが連載、というのも素晴らしい。


    …小野正嗣さんは、一文が長くて個人的にはつらいなぁ。

  • 村上春樹のインタビューが載っている号。
    「自分の魂の不健全さというか、歪んだところ、暗いところ、狂気を孕んだところ、小説を書くためにはそういうのを見ないと駄目だと思います。というか、そのたまりみたいなところまで実際に降りていかないといけない。
    でも、そうするためには健康じゃなくちゃいけない。肉体が健康じゃなければ、魂の不健康なところをとことん見届けることができない。」
    「身体が健康になったから魂もクリーンになりました、なんてことはあり得ない。」 という、村上春樹の言葉、私の座右の銘です。二面性、両極性を引き受けるには体が健康じゃないとというのは、共感。そしてそれをひきうけてこそ人生。(マコ)

  • 買ってよかった♥

  • ジョージ・オーウェル「象を撃つ」

    ↑モンキー・ビジネスに、柴田先生訳が載っていたので読みました。

    あらすじは、

    大英帝国による植民政策時代の、インドの一部であったビルマ
    (ビルマはミャンマーではない)
    に、武装警官として勤めを果たしている英国人のお話。

    「黄色い顔」の人々に抵抗されながらも治安を保つ仕事
    の毎日で、腹からスカッとするのは、
    くその役にも立たない
    陰口ばかり叩いている仏教僧どもにぶっ放すことだろう
    と思っている警官のところに、
    「発情期で狂った象をなんとかしてくれ」
    という案件が持ち込まれる。

    警官は44口径の銃と、象撃ち用のライフル銃を持って
    象の所に向かう。
    象は、すでにクーリーをひとり
    背中の皮を兎の皮を剥ぐように剥いて
    踏み殺している。

    警官の後ろには、見物のビルマ人たちが2000人。
    野っ原で草を口に押し込んでいる象は、すでに
    落着きを取り戻しており、
    警官は「この象を撃つべきではない」と
    直観的に「悟る」
    ものの、やっぱり撃つ。

    白人は黄色人種の前で象撃ちライフルを持ち出したら、
    象を打たなければならにからだ。
    彼は、「ひとえに、間抜けに見えるのを避けるため」
    に象を殺し、象は何発も撃たれ、生きながらに
    ビルマ人たちに肉をはぎ取られたのだった。


    というお話。


    このお話の教訓は何だろうか?


    植民政策と、人間を尊重するソウルを失うこと。
    戦い始めたら勝たなくてはならないし、
    勝つには手を汚さなければならない。
    被支配民族は卑屈である。支配者は卑屈に勝たなくてはならない。
    支配することも不毛である。

    などなど。が考えられる。

    筆致が、非常にジェントルなので、
    こういうのを国語の教科書に採用すればいいのに、
    と思った。
    あるいは、ジェントルを学ぶ道徳の教科書に。
    非常に道徳的ではあるけれども、
    欺瞞は無いし、
    血も流されるので、
    脳の身になるお話だと思う。

    生きていく上で、
    「象を撃つ」ような判断をしなければならない時が
    何回も来る。
    その時に、
    「ひとえに、間抜けに見えるのを避けるため」
    に撃つという判断をすることは何回でもあるだろう。
    わたしは、
    言うなれば負の判断を
    それは人間の尊厳を尊重しない行いであるよとか、
    尊敬出来ない行いであるよ、
    と指摘するつもりは毛頭ない。

    毛頭ないのだけど、

    「ひとえに、間抜けに見えるのを避けるため」
    の判断によって消耗したよ
    と言う人が居れば、
    それは分かるよ、と言うだろう。

  • 新作が話題の村上春樹氏インタビューがメインなんでしょうけど、あたいは「うたの猿山」が楽しかったのです!です!柴田先生やっぱり好きだなあ。この雑誌には美しく面白いムダが沢山詰まってる。長ーく続いて欲しいなとひっそり応援しています。

  • うたの猿山

    これまでの全財産をチャージしたSuicaが猿の手に奪われる

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著者プロフィール

1954年生まれ。東京大学名誉教授、翻訳家。ポール・オースター、スティーヴン・ミルハウザー、レベッカ・ブラウン、スチュアート・ダイベックなどアメリカ現代作家を中心に翻訳多数。著書に『アメリカン・ナルシス』、訳書にジョナサン・スウィフト『ガリバー旅行記』、マーク・トウェイン『ハックルベリー・フィンの冒けん』、エリック・マコーマック『雲』など。講談社エッセイ賞、サントリー学芸賞、日本翻訳文化賞、早稲田大学坪内逍遙大賞を受賞。文芸誌『MONKEY』日本語版責任編集、英語版編集。

「2023年 『ブルーノの問題』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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