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感想・レビュー・書評
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キルケゴールとは言えば「死にいたる病」が有名で、実家の本棚にもあった事を思い出す。
子どもながらに死にいたる病とはなんぞや?
と疑問に思ったのだが、後年オトナになってから解説を読んで絶望のことだと判明。
先日受講した山本芳久氏のトマスアクイナスの神学大全講義内で、第四十問題について取り上げられていた。
希望は善を対象とする。
希望は未来を対象とする。
希望はその獲得に困難が伴う。
だが、その困難さは獲得可能なものではある。
なぜなら、どうしても獲得できないところのものは、
これを希望することもないからである。
希望が絶望と相違するのはこの点においてである。
しかし、「絶望は愚か者の結論である」と、
賜ったのは誰だったか…。
閑話休題。
「死にいたる病」と本来は一緒に出版するつもりだったが、オトナの事情により分冊され、別の本として出版されたのが、「キリスト教の修練」である。
詳しい執筆背景や内容についての解説はほかに良質のものがあるだろう。
個人的な話をすると、このキリスト教の修練は読んでるとワケも分からず涙が出てくる。
「ひとりの信じる者がいるならば、
この人は、信仰を得ているからには、
あのイエスの同時代人たちと同じように、
現存するイエスと同時にいたのでなければならず、
また信じる者としてたえず同時にいるのでなければならない。
この同時性が信仰の前提である。
もっと厳密に言えば信仰そのものである。」詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
19世紀の絶望に効く薬