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- Amazon.co.jp ・本 (227ページ)
- / ISBN・EAN: 9784000035057
作品紹介・あらすじ
謎としての現在へ、語りの迷宮を紡ぐ新しいカフカ物語。
感想・レビュー・書評
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カフカの文体の「速度」という着眼点が興味深い。思考に筆が追いつかない。そのズレこそにカフカ独特の速度が出る。
それから、これはよく言われていることなのかわからないけれど、「変身」がモノローグではなくあくまで三人称であることの意味の指摘が目から鱗だった。たしかに、モノローグにしたなら、単なる「悪夢」の報告にすぎない。悪夢が明晰な三人称で語られるからこその「変身」だ。
カフカの小説の登場人物には「人格」がなく「関係」だけがあるという指摘もなるほどだ。だから、関係が途絶える時はすなわち死を意味する。そうした視点で「変身」を読んだことがなかったから新鮮だった。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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