プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神 (ワイド版岩波文庫 91)

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  • Amazon.co.jp ・本 (436ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000070911

作品紹介・あらすじ

営利の追求を敵視するピューリタニズムの経済倫理が実は近代資本主義の生誕に大きく貢献したのだという歴史の逆説を究明した画期的な論考。マックス・ヴェーバーが生涯を賭けた広大な比較宗教社会学的研究の出発点を画す。旧版を全面改訳して一層読みやすく理解しやすくするとともに懇切な解説を付した。

感想・レビュー・書評

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  • 社会学の金字塔。
    近代資本主義を支える、精神の由来と歴史的変遷を述べています。
    本書の重要な点は決して古プロテスタンティズムが資本主義を生み出したとは言っていない点です。
    古来から資本主義的な経済は世界中に存在していました。しかし、西欧のある地域において発生した資本主義はそれ以外の経済と区分して近代資本主義と定義しています。
    近代以前の資本主義は投機を中心とした冒険的、熱情的な活動であったのが、西欧の近代資本主義は冷静沈着な合理的計算に基づく活動でした。
    それを支える資本主義の精神の由来を宗教改革期の古プロテスタントの精神活動に求めて解明していきます。
    そして分析の中心となるのが理念型や価値自由といった、諸概念です。
    とてもダイナミックな精神史が描かれ、意外な展開が繰り広げられる読んでいて飽きることがありません。
    読みやすいが内容の把握が難しいという本当の名著だと思います。

  • 資本主義は発達した理由が書かれている。
    根本のはキリスト教がある。

  •  久しぶりに歯ごたえのある本を読んだ。内容も難しいし、注釈が多くて読むのに時間がかかった。たまにはこういう本も読まないとね。
     プロテスタントの考えには労働によって資本を蓄積することを許容・推奨する要素があり、それが資本主義の成長につながったというのがもの凄くざっくりした概要。細かいところは上手く説明できない。ある程度宗教の知識があった方が面白く読めるかも知れない。
     あと何年かして、もう少し賢くなったら読み直そう。

  • 8/4 p.56迄
    7/24購入

  • キリスト教(プロテスタント)の価値観が資本主義成立に如何にして寄与したかを研究した本。

    大学入りたての時に読まされた本なので、あんまり理解できてないかも。
    訳はちょっと読みにくい。というか固い。
    英語が出来る人はそっちで読んだほうがいいかも。
    原書(ドイツ語)は読んだこと無いからしらん。

    マルクスとの対比でよく引用される本なので、社会学学部学生は早めに読んどくとあとあと便利。

    この前教授に聞いたら、最新版のほうは読みやすくなっているとのこと。

    【以下内容三行】

    神「浪費すんな 禁欲しろ」
    信者「働いて投資します」
    資本主義成立\(^o^)/

  • かなり本文は難解だったが、解説を踏まえてそれなりに理解はできた。あくまでそれなりだが。
    近代資本主義の構造を禁欲的プロテスタンティズムの歴史を社会学的に考察し、関連づけながら説明されている。
    普通の人は資本主義は貨幣欲やら貪慾から来ていると思うものだけど、ウェーバーは宗教からアプローチしてそれを解明しようとした。その着眼点はすごいとしかいいようがない。

  • 言わずと知れた社会学の名著。
    私が大学院進学を真剣に考え始めた書です。
    なぜ資本主義はヨーロッパに生まれたのか。マックス・ウェーバーが疑問に思ったのは、「なぜ資本主義は他ではなく西欧で生まれたのか?」という素朴なものでした。何千年もの歴史を持つ古代文明が数多くあり、金融を営んで財を貯えたユダヤや独自の文明を発展させていた中国などでは資本主義は生まれなかった。西欧という一つの地域に、それもある一時期になぜ資本主義は生まれたんだろう?という疑問に答えを出そうとした論文です。
    そこで彼が注目したのはプロテスタントとカトリックの教徒の生産性の違いでした。この二つの教義を分析し、プロテスタンティズムが資本主義を生み出したと結論付けます。キリスト教のプロテスタントに見られる倫理観が資本主義に必要な、より事業を大きくするために禁欲し利益を資本に投入するという精神を生んだ、ということです。資本主義が一見相反するもののような宗教から生まれてきたということを分析したこの人の着眼点や分析方法に感動した覚えがあります。
    社会学を学びまだウェーバーに触れたことの無いという人、 宗教に興味がある人、資本主義が生まれた理由を知りたいという人、オススメです。

  • 内容はキリスト教についての知識はないとよくわからない。ただし、訳者による解説は読む価値がある。こんな論文を書いてしまうウェーバーはすごい。

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著者プロフィール

1864-1920。ドイツ、エルフルトに生れる。ハイデルベルク、ベルリン、ゲッティンゲンの各大学で法律学を専攻し、歴史、経済学、哲学に対する造詣をも深める。1892年ベルリン大学でローマ法、ドイツ法、商法の教授資格を得、同年同大学講師、93年同助教授、94年フライブルク大学経済学教授、97年ハイデルベルク大学経済学教授、1903年病気のため教職を去り、ハイデルベルク大学名誉教授となる。1904年Archiv für Sozialwissenschaft und Sozialpolitikの編集をヤッフェおよぴゾンバルトとともに引受ける。同年セント・ルイスの国際的学術会議に出席のため渡米。帰国後研究と著述に専念し上記Archivに論文を続々と発表。1918年ヴィーン大学教授、19年ミュンヘン大学教授、経済史を講義。20年ミュンヘンで歿。

「2019年 『宗教社会学論選 【新装版】』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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