生命と食 (岩波ブックレット)

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著者 : 福岡伸一
  • 岩波書店 (2008年8月6日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (62ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000094368

生命と食 (岩波ブックレット)の感想・レビュー・書評

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  • これもアンアンの本特集で存在を知る。この本を紹介しているのは、写真家の鈴木心さんだが、この人の紹介する本と紹介文は秀逸だと思う。

  • 体に入れたものは、体中に広がる。

  • なぜ、生物は食べるという行動をするのか、
    謎に思っている方にオススメ

    福岡先生が、いろんな確度から、食事が生物にとって
    どういう意味を持っているのか、説明しています。

  • 福岡氏も狂牛病も最近はその名前を聞かなくなったな。
    命をいただいて,その命はタンパク質として自らを構成する。食べ物が自分となることを考えれば,その場の小さな経済的利益に惑わされることなく,履歴のはっきりした人工物の含有が少ないものを体内に取り込む方が自然だし,最終的な経済的利益をもたらす。

  • 『生物と無生物のあいだ』、『世界は分けてもわからない』、『できそこないの男たち』などの著書で知られる、福岡伸一先生の書。

    なんというか、福岡先生の文章はのどごしのいいうどんのよう。論じる内容は、生物学的専門性に裏打ちされたかなり“ぶっとい”理論なんだけど、生物学に明るくないこの私にも、スルスルとのみこみやすいのである。何がそうさせているのかな、と考えてみる。たぶん、それは福岡先生が“例え上手”であるからだといえるのではないか。

    物事を“例える”という行為は、普段それほどすごいものには感じられないけど、これはなかなか高尚な能力だと思う。なぜならそれは、説明したいaの事柄について、まずその本質をしっかりと理解し、続いてそれと高い相似性が認められるbという事例を、日常の経験の中から探しだすという、なかなか難易度の高い思考法だからだ。

    福岡先生は、それをあっさりやってのける。しかも、絵画や教育学、物理学など、およそ自分の専門性とは関係のないところから、そうした“例え”をひっぱりだしてくる。福岡先生は、博覧強気の人である。


    さて、内容面について。本書はまず、「物事を区別して考える人間の思考法」を批判することから始まる。言いかえれば、分析的思考法批判である。

    ある事象というのは、他のあらゆる事象との多様な連環、しかもインタラクティブな連環のうちにあるもの。でも、人間はそうした連環を鑑みず、物事を区別し、切り出して、考察していく。そうした人間の思考様式が問題なのだ、おそらく福岡先生はそのように言いたいのだと思う。

    次に、そうした人間の分析的思考法が招いた厄災の代表例として「狂牛病問題」を論じていく。というより、「狂牛病問題」を論じる枕として、分析的思考法の批判が最初に行われたと言った方が適切か。

    ブックレットで60ページちょっとしか分量はないけど、「いのち」と「食」に関して、たっぷり考えさせられた。個人的には、読者を知的に昂揚させることができる本を「良書」と考えている。したがって、福岡先生のこの本は良書中の良書!!本当におもしろい!!

    本書の最後で福岡先生はこのように論を締め括っている。とても印象的だったので、引用しておこう。

    「食物とはすべて他の生物の身体の一部であり、食物を通して私たちは環境と直接つながり、交換しあっています。だから自分の健康を考えるということは、環境のことを考えることであり、環境のことを考えるということは、自分の生命を考えるということでもあるわけです。」

  • 生物学者の視点から考える「食」というのが面白い。

    食べものを体に入れるとそれはどうなるか、だからこそ、何を食べればいいのか、ということをテーマにした一冊。

    狂牛病や遺伝子組み換えなど今、食の世界で起きていることをわかりやすく解説しつつ、私たちはどういう選択をするべきなのかということを改めて考えさせられる。

  • 小論文で利用させてもらいました。

  • 『生物と無生物のあいだ』、『世界は分けてもわからない』、『できそこないの男たち』などの著書で知られる、福岡伸一先生の書。

    なんというか、福岡先生の文章はのどごしのいいうどんのよう。論じる内容は、生物学的専門性に裏打ちされたかなり“ぶっとい”理論なんだけど、生物学に明るくないこの私にも、スルスルとのみこみやすいのである。何がそうさせているのかな、と考えてみる。たぶん、それは福岡先生が“例え上手”であるからだといえるのではないか。

    物事を“例える”という行為は、普段それほどすごいものには感じられないけど、これはなかなか高尚な能力だと思う。なぜならそれは、説明したいaの事柄について、まずその本質をしっかりと理解し、続いてそれと高い相似性が認められるbという事例を、日常の経験の中から探しだすという、なかなか難易度の高い思考法だからだ。

    福岡先生は、それをあっさりやってのける。しかも、絵画や教育学、物理学など、およそ自分の専門性とは関係のないところから、そうした“例え”をひっぱりだしてくる。福岡先生は、博覧強気の人である。


    さて、内容面について。本書はまず、「物事を区別して考える人間の思考法」を批判することから始まる。言いかえれば、分析的思考法批判である。

    ある事象というのは、他のあらゆる事象との多様な連環、しかもインタラクティブな連環のうちにあるもの。でも、人間はそうした連環を鑑みず、物事を区別し、切り出して、考察していく。そうした人間の思考様式が問題なのだ、おそらく福岡先生はそのように言いたいのだと思う。

    次に、そうした人間の分析的思考法が招いた厄災の代表例として「狂牛病問題」を論じていく。というより、「狂牛病問題」を論じる枕として、分析的思考法の批判が最初に行われたと言った方が適切か。

    ブックレットで60ページちょっとしか分量はないけど、「いのち」と「食」に関して、たっぷり考えさせられた。個人的には、読者を知的に昂揚させることができる本を「良書」と考えている。したがって、福岡先生のこの本は良書中の良書!!本当におもしろい!!

    本書の最後で福岡先生はこのように論を締め括っている。とても印象的だったので、引用しておこう。

    「食物とはすべて他の生物の身体の一部であり、食物を通して私たちは環境と直接つながり、交換しあっています。だから自分の健康を考えるということは、環境のことを考えることであり、環境のことを考えるということは、自分の生命を考えるということでもあるわけです。」

  • 黒い牛乳というのを聞いたことがあるか?
    私たちが飲んでいる牛乳を作るのに(まさに作る)人がどんな非人道的なことをしているのか。
    読んだら牛乳が飲めなくなるかも。

  • 自分の体と、食べ物のつながり。そして、食べ物を通しての環境とのつながり。大切なことはこんなにシンプルだったのかと、目が覚める思いがした。「私たちを形作っている分子は、自分のものであって、自分のものではない」という一節が印象的。
    そうした意識を持って、食べ物を見つめていきたいと感じた。

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生命と食 (岩波ブックレット)の作品紹介

食をめぐる問題が多発する今こそ、原点から考えよう。私たちはなぜ、他の生物を殺め、食べ続けなければ生きてゆけないのか。食の安全を脅かしているのは、何なのか、誰なのか。気鋭の科学者による、いのちの講義。

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