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- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784000222310
感想・レビュー・書評
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ウィーンで起きたテロ事件。その当時ウィーンに駐在していたCIA部員ヘンリーが、事件直後に退職した元同僚であり元恋人でもあるシーリアを5年ぶりに訪ねる。彼らはシーリアの住む町のレストランで夕食を共にする。過去のテロ事件がどういうものだったのか、ヘンリーは何故シーリアを訪ねてきたのか、シーリアは何故事件直後に退職したのか。二人の会話の中から徐々にいくつもの謎が吹き出して真相が明かされていく。その過程がスリルに満ちていてぞくぞくした。
詰めの段階がちょっと不満足だったことを除けば、ル・カレを彷彿させるとても面白い作品だと思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ル・カレの次はスタインハウアーかよ。どうしちゃったの、岩波。ありがとう、岩波。新しい家庭を築き、新しい人生を歩んでいる元恋人に恋々の男ってみっともない。犠牲を払ったんだから、自分は報われて然るべきだという思いが拭えなかったんだろうな。スパイものであると同時に、裏切られた恋の復讐ものとも読めた。