- Amazon.co.jp ・本 (218ページ)
- / ISBN・EAN: 9784000236775
作品紹介・あらすじ
きついノルマ、長時間・過密労働、やりがいがあっても低賃金…激変する労働環境のもと、非正規雇用の増加と同時に、"正社員"とは名ばかりの、続けていくことが難しい働き方を強いられる若者たちの一群が現れてきている。その中心を成す二〇〜三〇代の就職氷河期時代世代、彼女ら・彼らに焦点を当て、若者が生きる現実を執拗に描く、渾身のルポルタージュ。
感想・レビュー・書評
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就職氷河期に正社員になったという「恵まれた」はずの人たちの残酷な労働実態。派遣会社の正社員、激安大手家電量販店、就職支援会社、アパレル、広告制作会社、そしてソフトハウスのSE、大手銀行、証券会社とこれだけの業界・職種の過激な長時間労働の現実を見せられると暗い気持ちになってしまいました。現実に、私の大学でも学生たちが就職していく先は恐らくこの通りだろうと思うからです。本当に豊かな時代になったといえるのか、勝ち組ともいうべき、正社員になった人たちがこれであれば、フリーター、ニートの人たちはどうなるのか、日本の将来が非常に不安です。
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思索
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就職氷河期の頃の様々なタイプの学生と新社会人の就職後10年をルポ。社会の果たす役割の大きさと理不尽さを感じる。個々の人間はなんと頼りなく小さいものか
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展示期間終了後の配架場所は、開架図書(3階) 請求記号 366.21//Ko12
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いろいろと考えさせられる1冊でした。
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<閲覧スタッフより>
就職氷河期を乗り越えて就職した若者たち。しかしその先に続いていた未来は必ずしも明るいものではなかった・・・。「名ばかり正社員」に強いられる過酷労働や低賃金の実態。ワーク・ライフ・バランスを求める悲壮な声を追ったルポルタージュです。
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所在番号:366.21||コミ
資料番号:10192583
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生活が苦しい。残業代が出ない。そんな悲鳴が聞こえる本書。
本当に笑えない、生々しい若者たちの実態について書かれた本。
ひどい環境の一例として、
SEやコンビニ店長、介護業界、タクシー運転手、看護師、歯医者さん等が挙げられている。
SEでも、人月を切り売りする方の派遣型についての話で、とても過酷な環境であると書かれている。キツイ、帰れない、給料が安いの3K業界という。
そんなこと無いと思うのだが、コーダーとテスター業務はそんな扱いかもしれない。
何十時間も、百時間超えの月残業時間を取るぐらいなら、もっとマシな業界や会社に転職したほうがいい。まともな会社や職種はたくさんある。でも若者は情報量が少なく、また転職活動に踏み切る余力がないというような形でドツボにはまってしまうという。
健康は資本。健康をそこなっちゃ、だめだよなぁ。 -
陰鬱となる…のはまだ自分がラッキーだったから、なのかな…。いや実際、同じ世代として自分はラッキーだったと思う。たまたまこういう状況でなかった、という。
いまここにある、こういう状況に対して、自分は一体どうしたらいいんだろう。なにができるんだろう。なんとかできるんだろう。ね。。 -
「正社員になりたい」
の著書の次の作品。
前作はよく知らない出版社だったのが、
これは岩波からの出版。
それだけ、実力が認められたってことだろう。
こちらは、就職氷河期に運よく正社員になれたのはいいものの、
仕事中心の過酷な生活をを強いられている若者たちを追ったルポ。
かつて私は、
自分「働きすぎ」だったと思ってたけど、
これを読んで、私なんて
まだまだ序の口だったんだ!と実感。
やっぱりなんか、
今の社会構造って何か変だと
またまた思った。