- Amazon.co.jp ・本 (187ページ)
- / ISBN・EAN: 9784000236829
作品紹介・あらすじ
かつてアフリカの人びとは、奴隷航路という負のルートに乗り、海を越えて散らばっていった。しかし彼らの文化の生命力は失われることなく、行った先々で根づき、姿を変えて、今なお世界中を旅している。アフリカ大陸からアメリカ大陸、カリブ海地域、ヨーロッパ、そして日本。世界中に広がり動きつづける「アフリカ」の今をうつしだす、新しい「文化のガイドブック」の誕生。
感想・レビュー・書評
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アフリカってすごいな。
音楽・身のこなし・リズム・ダンス・アート・ファッション…世界中にアフリカが拡散している。アフリカ文化は、蔦みたいに伸びてその地に根付いているんだ。
「白人」含め世界中の若者が、これかっけえじゃんと飛びついた、ストリートファッションとかレゲエとかラップとかって、アフリカじゃん。
ある講演で中村さんを初めて知った。「ポストコロニアリズムって、作品がもうものすん~ごい面白いのよ!」と熱く語っておられた。
私はそれを聞いて、救われた気がした。
それ以来、「母語」とか「異質なものとの出会い」とか「混淆」とか「クレオール」とかを考えている。
本を読むことは、単一な、偏見でこりかたまりがちな世界を見る「自分の目」に彩りを与えることだよ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
装丁とは裏腹に読み応えのある本。生きて動いているアフリカ。現代の呪術の話が面白い。サッカーのワールドカップにも妖術がかけられているそうな。音楽、スポーツあらゆる所にアフリカはある。
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多数の民族、風俗、習慣、食、音楽、文学、知らないことばかり。大西洋をまたいでアフリカ、アメリカズ、ヨーロッパの間に文化が行き来していた。、その奥底に虐げられた人々の抵抗があったことが痛々しい。
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なぜアフリカの供述はこうも強い力を保っているのだろうか?それはアフリカが世俗化していない、聖なるものへの畏れを核とする文化を数多く抱えた大陸だからかもしれない。
世界中に離散しているアフリカンカルチャーが席巻している。
アフリカから奴隷として連行されていった者たちはダンスを禁じられた。腰の動きは身の危険と直結していた。奴隷主の方も奴隷のダンスが集団的暴行に豹変するのではないかという脅威にさらされていたから。と同時にダンスには奴隷の不平不満のガス抜き効果もあるとされ、購入した奴隷から最大の労働力を引き出すために、適度のダンスやラム酒はむしろ奨励されていたという記録もある。