点・線・面

著者 :
  • 岩波書店
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感想 : 14
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000240604

作品紹介・あらすじ

国立競技場の外壁は全国の杉の板で覆われた。今、私たちの目の前にあるのは小さな点や線である――。建築家は風通しのよい物のあり方を求め続けて、木や石、そして土などさまざまな物質との会話を繰り返し、ついに新しい世界の扉を開いた。未来を考えるすべての人のための方法序説。待望の書き下ろし。図版200点収載。

感想・レビュー・書評

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  • ヴォリュームの建築ではなく点・線・面の建築へ。隈研吾さんがずっと挑戦し続けてきた概念が、近作も交えて更に深化する。建築を小さな部材の連なりでつくることで、人間の身体スケールに近づいたやさしく軽やかで、民主的で、持続可能な、動的平衡=生命的な建築が生まれる。

    ‪コンピュータの発展がこの微細なデザインを補助しているという記載も興味深い。もし時代が異なれば実現できなかったものもあるのだろう。運という流れを味方にしている点も面白い‬

    この本のデザインにも感動した。読み終わった後、線である文字が粒子化し、点になった。かと思いきや粒子化が進むと背景であった白が際立ちはじめ、面にも見えてくる。まさにこの本自体が点・線・面を振動するブックデザインであると思うのは深読みだろうか。

  • 綺麗で、整然としすぎた建築は、汚れを許容しない。現代の日本建築は、その不寛容な方向に向かって進化し、その結果、日本の都市は汚れを許容しない、居心地の悪い環境となってしまった。
    日本の伝統木造の線は、担任、細井だけではなく、自由に移動できるものでもあった
    日本の瓦屋根は、屋根を灰色に塗っただけに見え、点のリズム、点の躍動感はどこにも存在しないのでさある

  • 量子力学と建築の関係性が面白かった。

  • 建築家は風通しのよい物のあり方を求め続けて、木や石、そして土などさまざまな物質との会話を繰り返し、ついに新しい世界の扉を開いた。未来を考えるすべての人のための方法序説。待望の書き下ろし。図版200点収載。(e-honより)

  • 筆者が建築を通じて表現する際に得ている着想、考え方、アイデアの源が、さまざまな建築物とその背後にある思想、概念、また、それだけにとどまらず、身近な生き物、事物が幾重にも織り込まれて成り立っていて、とても刺激的でした。
    読んでいて、豊富な知識、経験を土台に、体験から得ている肌触り、感覚と、観察し、ひらめく着想とが繋ぎ合わさって、人と共にある建築物が生まれていく感じがとても面白かったです。

  • あまり時間がなくてしっかり読めず。第一線で仕事してる人がこういう他の建築から学ぶ、資料を読み込んだ物を出すのってとても得難い。テンセグリティも取り上げてて笑っちゃった。ありがとうまーくー(隈さん)

  • ふむ

  • 世界の歴史や他者の思想を、いかに自らの思考や体験に引き寄せて語るか、という観点で勉強になる。概念を媒介に論を進める中で強引な引き寄せ方もあるが、創作には何も正しく読むことだけが大切なのではなく、時に誤読に近いドライブも必要なのだと再認識。

  • 点・線・面をテーマに建築の歴史と自身の作品をさらりと振り返るような構成
    言いたいこと、やりたいことは分かるが
    論理の飛躍と矛盾があるように思えて自分の作品を補強する為の著書であるかのように勘繰ってしまう
    あとコルビュジェ、磯崎、黒川に対する徹底的な批判がすごい...笑
    文章自体は読みやすく面白いので建築に詳しくない人でも読めると思います

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著者プロフィール

1954年、神奈川県生まれ。東京大学大学院工学系研究科建築学専攻修了。コロンビア大学建築・都市計画学科客員研究員などを経て、1990年、隈研吾建築都市設計事務所設立。慶應義塾大学教授、東京大学教授を経て、現在、東京大学特別教授・名誉教授。30を超える国々でプロジェクトが進行中。自然と技術と人間の新しい関係を切り開く建築を提案。主な著書に『点・線・面』(岩波書店)、『ひとの住処』(新潮新書)、『負ける建築』(岩波書店)、『自然な建築』、『小さな建築』(岩波新書)、『反オブジェクト』(ちくま学芸文庫)、他多数。

「2022年 『新・建築入門 思想と歴史;ク-18-2』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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