- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784000244640
作品紹介・あらすじ
幾度となく繰り返される和平構想にもかかわらず、解決の糸口すら見えないパレスチナ/イスラエル問題。オスマン帝国の解体、シオニズムに基づくユダヤ人移民の開始から、イスラエル「建国」を経て、イスラエルによるパレスチナ自治区の「占領」に至るまでの一世紀にわたる歴史を双方の視点から辿り、その歴史像の決定的なズレの中に問題の本質を探る。
感想・レビュー・書評
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パレスチナ人労働者たちは、イスラエル人労働者ならば到底受け入れられないような安井賃金でユダヤ人移民のための入植地建設するイスラエルの建設企業で働かなくてはならなかった。それらに抗議しようとすると西岸は封鎖され、住民は職場に行くこともできなかった。イスラエル優位を維持するために軍事力と経済措置が露骨に使用された。
シオニズムが直面している中心的な難問は祖国を建設することだが、どのようにして離散ユダヤ人の精神的混迷を解決するうこになるのかということだった。
アメリカがユダヤ人のパレスチナ移民に一所懸命に取り組む理由はアメリカが新移民を受け入れるつもりがなかったから。 -
パレスチナのアラブ人とユダヤ人が、それぞれ同じ歴史的事象を記述しているが、全く共通点がなく、絶望的であることが浮き彫りになる。ただ、両者をあえて対等に並べることによって、強者であるユダヤ系白人が弱者であるパレスチナ人を占領して追放した構図が重要であることが分かる。そもそも、原点になっているシオニズムというのが、実感として理解できないが、将来的に2民族1国家を模索していければ良いのでしょうか?