- Amazon.co.jp ・本 (276ページ)
- / ISBN・EAN: 9784000247719
作品紹介・あらすじ
他に先がけて文革の火蓋が切られた内モンゴルでは、かつて日本時代に教育を受けた者たちが、「内モンゴル人民革命党」一派として粛清された。さらに階級闘争論によって、漢族による草原の開墾とモンゴル族の迫害が正当化され、家畜と遊牧地は奪われ、モンゴル人への殺害がエスカレートしていった。戦慄の悲劇を招いた内モンゴルの文革。その要因と拡大化の実態を、体験者の証言を軸に克明にたどる。対日協力者はなぜ民族分裂主義者に仕立てられたのか。
感想・レビュー・書評
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毛沢東が命令して鄧小平が実行したモンゴル人虐殺は、そのうちにもっと明らかになると考えられる。
文化大革命の下でソ連に対抗し、チベットとウィグルと組ませないためのモンゴル人の大虐殺である。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
御都合主義とも言える発言が著しい、中国共産党の歴史の恥部。隠された漢民族さえよければ、、という賢者であったと幻想化してしまった時の共産党指導者のウソを歴史的事実から、圧政に苦しみもがいた少数民族側からの史実の告発!
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恐ろしい本であった。
モンゴル民族は中国の人民なのか?
チベット・ウイグルに民族紛争が頻発しているのに、内モンゴルになぜ民族問題が起きないのか?
内モンゴルのモンゴル人たちはモンゴル人民共和国のモンゴル人たちと同じ民族ではないのか?
以前知り合った内モンゴル出身のモンゴル人の趙さんが、なぜ共産党をひどく嫌っていたのか?
なぜ、中国人民(漢族)は共産党政府のプロパガンダを簡単に信じてしまうのか?
異論に対してすぐさま「漢奸」「売国奴」のレッテルが貼られてしまう社会的精神的風土は何か?
尖閣諸島・沖縄・台湾・南シナ海・カシミール地方・・・漢民族の覇権志向 -
内モンゴル自治区が中国共産党から受けた非道な仕打ちについてのインタビューをまとめた一冊。今までこのような本はなかったため、画期的なものらしい。
モンゴルからの留学生(博士課程)からの紹介。彼の親戚もこの本に書かれているような虐待を受けたらしい。しかし、この本に書いてあることの残洋は知らないらしく、いかに中国が制圧しているかを実感した。
日本に占領(?)されていたころはまだましで、共産党の文化大革命
など、文化統一を大義名分に大量虐殺がおこなわれていた。
中国とロシアという大きな二大勢力に挟まれた少数民族の地域は難しいとおもった。個人的には朝鮮と少し雰囲気が似てると思った。
モンゴルにも高等学校・女子高等学校があり、そこから日本に留学する人も沢山いた。一高に留学し帝国大学卒業後に帰国し、高等学校や大学の先生になった人もいる。逆に日本からも大学や学校の先生として渡って行った人もいた。
印象的だったのが、中等女学校(曖昧)の教師としてモンゴルに行った日本人女性と、その生徒たちの写真である。先生は袴を着て、生徒は白いブラウスに黒いスカート・タイツという制服を着ていておかっぱ頭で、その姿は日本の当時の先生・生徒の写真とまるで同じようだったこと。 -
目次
はじめに―内モンゴルの文化大革命に至る道
序章 「社会主義中国は、貧しい人々の味方」
第Ⅰ部 「日本刀をぶら下げた連中」
第1章 日本から学んだモンゴル人の共産主義思想
第2章「亡国の輩になりたくなかった」
第3章「モンゴル族は中国の奴隷にすぎない
第Ⅱ部 ジュニアたちの造反
第4章「動物園」の烽火
第5章 陰謀の集大成としての文化大革命
第6章 漢人農民が完成させた「光栄な殺戮」