牧夫の誕生――羊・山羊の家畜化の開始とその展開

著者 :
  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000247740

作品紹介・あらすじ

家畜の誕生は紀元前七〇〇〇年ごろの西アジア、羊・山羊が最も早いとされる。では、いかにして家畜化は始まり、その管理技法は展開したのか-。著者は、永年にわたり西アジア・地中海地方を訪れ、牧畜の現場をつぶさに観察、その知見に基づき家畜化の過程を鮮やかに再構成する。本書は、著者の家畜化論の集大成である。

感想・レビュー・書評

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  • 紀元前7000年頃から始まったという家畜。
    それはいかにして始まり、管理が行われ、展開していったのか?
    20数年にわたって世界各地の羊・山羊牧民のもとを訪れ、
    研究してきた著者による、家畜化の過程。
    植物考古学や動物考古学により、発掘された痕跡から、
    例えば種子から麦農耕が、或いは骨から家畜化された牧畜は
    推定できます。しかし、如何にして野生動物が家畜化されたのか、
    また、如何なる経過で牧畜が展開されていったかは不明です。
    著者は、経験と研究から、羊や山羊が家畜化し、搾乳等の人為的
    行為を受け入れるようになっていったか、そして、牧夫が登場して
    いったかを、仮説し、推測し、考察して論じています。
    それは、たかが家畜といえど、歴史の推移、社会の確立、倫理観、
    経済、獣医学その他、幅広い範囲にわたって検証されています。
    専門用語多めで難しい内容ですが、牧夫の役割と家畜の関係を
    想像しながら読むと、なかなか興味深いものでした。

  • 谷泰さんの新刊?本。読みたい。

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著者プロフィール

1934年福岡県生まれ。京都大学名誉教授。『牧夫フランチェスコの一日』(1976年刊、エッセイスト賞)以来、日本では珍しい牧畜文化の研究の第一人者。その成果は、『神・人・家畜』に結実している。『文化を読む』人文書院(1991)以来、会話分析による認知科学的アプローチで新たな人類学を展開。

「2004年 『笑いの本地、笑いの本願』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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