脱原発から、その先へ――ドイツの市民エネルギー革命

著者 :
  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000258821

作品紹介・あらすじ

3・11後にいち早く、脱原発へと舵を切ったドイツ。草の根の力は一気に息を吹き返し、各地で自然エネルギー利用が花盛りだ。原発をやめると電気料金が上がる?フランスの原発電力との関係は?脱原発路線の「気になるその後」を徹底リポート。

感想・レビュー・書評

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  • 2023年1-2月期展示本です。
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  • 脱原発依存をめぐる議論は活発だが,今の日本社会には,脱原発後の生活が具体的に知らされないもどかしさがある。
    やっぱりやればできるんだ!と思わせ,納得させてくれる良書!!

  • 今泉みね子『脱原発から、その先へ ドイツの市民エネルギー革命』岩波書店、読了。本書は3.11以降のドイツのエネルギー政策とその背景、政策転換を実現するための具体例(その障害と現時点での問題点)をまとめた最新の報告。http://www.iwanami.co.jp/moreinfo/0258820/top.html



    本書は「フランスから電力を輸入できるから」ドイツの政策転換は可能になったのでは?という問いにも応えると同時に、また再生可能エネルギーの現在がバラ色でないことも浮き彫りにする。ただしそれが「可能」であるとの示唆は、一つのヒントになる。

    エネルギー転換を進めるドイツの現状、政策転換の背景となるこれまでの環境政策、そして市民による政府の働きかけと再生可能エネルギーの現在の4点を分かり易くレポート。一朝一夕で実現した訳でないドイツの脱原発の「現在」がよく分かる。

  • 1990年よりドイツ、フライブルグに住み、フリーの環境ジャーナリスト、翻訳家として活動をしている筆者による、脱原発後のドイツの動向と、市民主導によるエネルギー革命レポート。脱原発のトップランナーとも言われるドイツだが、市営企業や個人、団体・組合による企業と、既存の民営電力会社との闘いは、いたるところで今日もなお続いていることがわかる。そうした中で、印象に残るのは、自分たちの意思を形として実現するためには、自ら調べ、考え、行動するドイツ人の国民性というか、伝統的底力である。
    実際、再生可能エネルギーの普及状況を見ると、2010年のドイツにおける発電装置の所有者は、個人と農家で半数、個人企業まで含めれば60%になるという。風力に至っては個人が占める割合が、約7割と紹介されている。日本には決してドイツに劣らない、というよりむしろそれ以上に恵まれた技術と自然条件がありながら、そうした動きの見えてこないのは、残念ながらその意思表示と行動力の足りなさが原因なのであろう。この本は、ドイツに住んでいる日本人として、海の向こうからエールを送るために書かれたものと言えよう。

  • エネルギー転換の早期実現への障壁として代表的なのが送電、配電網の不足。せっかく風が吹いているのに、風力発電を一時的に強制停止させられる例が増えている。

    ドイツでは日本でいう温暖化対策は気候保護と呼ばれており、ここ10年位はメディアが気候というと、すぐに気候保護を連想するほど。

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著者プロフィール

東京都生まれ。
国際基督教大学教養学部自然科学科生物学(生態学)専攻卒業。
1983年から1986年に、西ドイツのフライブルク大学に子連れ留学する。1990年からフライブルクに永住、ヨーロッパの環境政策・対策について執筆・講演・調査、動植物や環境問題についての英語・ドイツ語書籍の翻訳を行う。

「2018年 『ようこそ、難民!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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