グローバリゼーション (<1冊でわかる>シリーズ)

  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (210ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000268813

作品紹介・あらすじ

過去20〜30年間に経済・政治・文化・イデオロギー・環境などさまざまな側面で社会はこれまでにないスピードで変化を遂げた。その変化のプロセスの多様性を表す言葉として登場した「グローバリゼーション」は、しかし明瞭な輪郭をもたないまま浸透し、混乱もみられる。本書は社会全体を包み込む多元的なプロセスとしてグローバリゼーションを捉える一方で、各分野の状況を整理し、グローバリゼーション肯定論・否定論をまじえて包括的に検討する。

感想・レビュー・書評

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  • 現在起きていることは何なのか?これを歴史的なパースペクティブ、そして世界的な視野のなかで、考えてみたいと思う。

    で、16世紀の資本主義や国民国家の成立から、考えてみようと思い、ブローデルを読み、ウォラーステインを読み、ポラニーを復習し、その後に最近のグローバリズムや「帝国」関係の本でも読もうと考えた。

    が、そんなことやってたら、最近の本を読める日が来るのは、数年後になちゃいそうだし、そのころには、自分の関心が変っていそうだ。

    なので、ブローデルもウォーラーステインも入門書で済ませ、グローバリズムも入門書で見取り図をまず把握しようと思い「1冊でわかる」シリーズを手に取る。

    この本の特徴は、グローバリゼイションを歴史的、多元的に実にスマートにまとめていること。さまざまな次元の見解を対比させながら、共通点や相違点を浮かび上がらせて、グローバリゼイションという複雑な事象にアプローチしている。

    その分、単純な分かりやすい主張にはなっていないし、極度に要約されていて必ずしも分かりやすいわけではないのだが、これからいろいろ読むにあたってのよいスタートポイントになっていると思う。

    このシリーズ、なかなか良さそうだな。「帝国」「ポストコロニアリズム」もついでに読むか。

  • 貿易の国際化は金融取引の自由化と歩調を合わせて振興してきた。
    文化のグローバリゼーションはロックやコカコーラの世界的な普及に始ったわけではない。
    インターネットやそのほかの新しいテクノロジーの後押しを受けて、私たちの時代を象徴する支配的な意味体系、たとえば個人主義、消費主義、多様な宗教的言説はかつてなかったほど自由に、そして広範囲に流通している。
    グローバルなパワーエリートは市場はグローバリズムの主要な提唱者として、消費主義的な自由市場の世界という理想化されたイメージで公共の議論を埋め尽くす。

    中国とインドは南世界におけるグローバリゼーションの偉大な商社だと、しばし言われているが、この二国の驚異的な経済成長と一人当たり所得の上昇は全人口のトップ10%から生じた不均衡なものである。

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