租税抵抗の財政学――信頼と合意に基づく社会へ (シリーズ 現代経済の展望)
- 岩波書店 (2014年10月30日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (218ページ)
- / ISBN・EAN: 9784000287364
作品紹介・あらすじ
なぜ日本ではこんなにも痛税感が強いのか?歪みきった財政制度を立て直す道筋を示す-
感想・レビュー・書評
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すらすら日記から。
「日本の租税負担率は世界的に見てかなり低い方であるにも関わらず、消費税率引き上げには強烈な反対が巻き起こります。
また、日本では「自分が払っている税金が重い」とする痛税感・重税感が国際的な統計でも国内の統計でも極めて高く、これが増税に対する抵抗感を強めております。
なぜ日本においては「租税抵抗」(税金に対する抵抗活動)が極めて強いか、かねてより疑問を持っておりましたが、こちらを今回読んでみましたので紹介いたします。」 -
図書館で何紙か読み流しているときに、朝日新聞の書評で本書を見かけた。財政関係の一般書ということでメモしておく。
【メモ】
・〈現代経済の展望〉シリーズのうちの一冊。
岩波書店リンク
http://www.iwanami.co.jp/.BOOKS/02/2/0287360.html
【目次】
第1章 租税抵抗の財政学に向けて
小さな政府と強い租税抵抗
日本型生活保障の臨界点
租税抵抗に向き合い、財政への信頼を作る
第2章 租税抵抗の歴史的文脈
租税抵抗はなぜ生じるか
日本型負担配分の論理
社会福祉への受益者負担論の侵入
第3章 再分配機能を喪失していく日本の租税構造
減税政策による所得税の財源調達力の喪失
貧困化を促進する負担構造
租税体系における所得税の役割
第4章 財政への信頼をいかに構築するか――国際比較からのアプローチ
福祉国家の危機と租税抵抗の高まり
イギリスにおける租税抵抗
スウェーデンにおける租税抵抗
第5章 人々を排除しない普遍的な財政制度へ
人々のニーズを充足する普遍的な財政制度
普遍的な社会保障制度の財源構造