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- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784000610742
作品紹介・あらすじ
戦中戦後に一時の中断をはさむとはいえ、一九三六年の『岩波書店新刊』発刊から七九年、一九四九年の再刊後、八〇〇号を数える岩波書店の雑誌『図書』。その「旗艦的」機関誌であると同時に「読書家の雑誌」を称するPR誌には、激動の時代を生きた著者や数多くの読者の、書物と向き合った悦びと苦悩が刻まれている。「岩波文化」の変容をとおして、読書空間の現代を照らし出すメディア史の快作。
感想・レビュー・書評
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「岩波文化」という言葉が大正時代に広がっていったというのは、大正デモクラシーの時代ならでは。岩波のPR誌「図書」が岩波文化の流れを象徴し、全書、文庫、新書、ブックレット、ジュニア新書とその出版が広まっていった過程が解読できる。岩波茂雄氏の民主的な姿勢の一方で国家主義的な側面も面白いところ。岩波文庫がインテリの象徴とされつつも、苦行的な原書購読が廃れている!との声があったとは実に皮肉!「図書」の執筆者の歴史は丸山眞男、清水幾太郎、林達夫に代表されるように錚々たる顔ぶれであることがさすが!一方、スタジオジブリの最近の作品が岩波少年文庫から映画化しているということは、感動体験を共有する読書!が姿を変えたということで、岩波の思想にあっているように思う。
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岩波運子は単品としてではなく、その奥行gあある体系によって価格が設定されていた。しかし大衆社会の平準化された文化消費者がこの古典の体系という論理に納得するとは思えない。
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