ブリューゲルと季節画の世界

著者 :
  • 岩波書店
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本棚登録 : 27
感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (596ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000611602

作品紹介・あらすじ

《バベルの塔》《ネーデルラントの諺》など、時代を超え多くの人々を魅了する作品を遺したピーテル・ブリューゲル。風景表現の頂点とも評される連作「季節画」はどのように醸成されたのか。先例となる彩飾写本や版画などに描かれた人々の季節の営みや月暦図像を半世紀以上にわたり渉猟してきた研究者が、その連環を解き明かす。

感想・レビュー・書評

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  • ピーテル・ブリューゲルの研究書。ブリューゲルファンとして、とても面白かった。そして、これから鑑賞する上で、かなり参考になると思う。
    1章、北ヨーロッパの彩色写本、聖務日課書と時禱書の月暦行事と農事について、1月から12月まで、とてもわかりやすく述べられていて、とてもプラクティカルでユースフル。
    2章、16世紀ドイツの月暦版画、ハンス・ゼーバルト・ベーハムと工房・追随者、ヴィルギル・ゾーリス、フランツ・イザーク・ブルン、ヨスト・アマン。各月暦版画シリーズ比較。
    3章、16世記の都市の市民生活月暦。ルーヴェン月暦画付き天文時計、画像内容分析、。周縁の七惑星の子供達と黄道十二宮との関係。連作「アウグスブルクの月暦画」、製作者制作年代、前例となったイェルク・ブロイ(父)の下絵素描、作品分析。
    4章、諺に読む16世紀北ヨーロッパの月暦図像
    5章ブリューゲルの二素描春、夏とフランドルの月暦図像の伝統。写本版画との比較、三月造園、棚や籠用の木の枝の伐採、枝集め。四月、羊の毛刈りと放牧、市民の「庭園での愛の語らい」。5月、園遊と舟遊び、森の散策、ピクニック。六月、野菜や果実の収穫、羊の毛刈り。七月、干し草の収穫と収納、休息。八月、穀物の収穫。
    6章、連作「季節画」(1565)
    注文者ニクラース・ヨンゲリンクの別荘。フローリスとブリューゲルの対峙。作品に関する書類。作品数や月の同定など議論。グランヴェル枢機卿との関係。各画面構成と農作業への観察眼。書く場面、スポット毎の表現の説明。
    7章 ポストブリューゲルの月暦画、ブリューゲル様式と影響
    アルクマール逸名画家の連作。ヴァン・ヴァルケンボルフ兄弟、マールテン・デ・ヴォス。ハンス・ボル。ヤン・ヴァン・デ・ヴェルデ2nd。コルネーリス・デュサルト・ベネディクトボイエルン修道院
    ちょっと高額なので、とりあえず図書館で借りたが、
    これは良い。必要に応じて閲覧するのもありだが、
    タイミングがあれば、購入も考えたい。

  • ふむ

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著者プロフィール

明治大学名誉教授/ネーデルラント美術史

「2018年 『ネーデルラント美術の誘惑』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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