正義・平等・責任――平等主義的正義論の新たなる展開

著者 :
  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000612005

作品紹介・あらすじ

先鋭化する格差・貧困問題を背景に、今日の政治哲学や法哲学においては、「平等」の問題を軸に正義論が展開されてきた。英米圏における分析的平等論を批判的に検討し、平等の価値理念と責任構想を織り込んだ新しい平等主義的正議論の構築をめざす、画期的論考。

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  • ロールズ『正義論』の再検討
    https://jww.iss.u-tokyo.ac.jp/jss/pdf/jss6402_007028.pdf

  • 著者:井上 彰 (政治哲学・倫理学)

    【書誌情報】
    価格:本体4,800円+税
    刊行日:2017/06/23  
    ISBN:9784000612005
    版型:A5 上製 カバー 256ページ

    先鋭化する格差や貧困問題を背景に,今日の政治哲学や法哲学では,正義論が「平等」の問題を軸に展開されてきた.英米圏における分析的平等論を批判的に検討,平等の価値理念と責任構想を織り込んだ新しい平等主義的正義論の構築をめざす,画期的論考. 
    https://www.iwanami.co.jp/smp/book/b287508.html

    【目次】
    序論 平等主義的正義論の新たなる展開に向けて

    第一章 分析的平等論とロールズ『正義論』
     一 はじめに
     二 分析的平等論の起源
      (1) 方法論としての分析哲学
      (2) ロールズ以前の平等論
     三 ロールズの平等主義的正義論
     四 現代の分析的平等論
      (1) 分析的平等論の復権
      (2) 現代の分析的平等論と『正義論』
     五 むすび

    第二章 ドゥオーキンの平等主義的正義論――その批判的検討
     一 はじめに
     二 平等な尊重と配慮――第一期の試み
      (1) 平等主義の基礎としての平等な尊重と配慮
      (2) 平等な尊重と配慮をめぐるナーヴソンとの論争
     三 解釈と平等原理――第二期の試み
      (1) 尊厳・責任・解釈による哲学的正当化
      (2) 価値のホーリズム
     四 ドゥオーキンの資源平等論と才能奴隷状態――第一期の試み
      (1) 資源の平等
      (2) 仮想保険と才能奴隷状態
     五 『ハリネズミの正義』の資源平等論――第二期の試み
      (1) 資源の平等の再定位
      (2) 資源平等論と運の平等論
     六 むすび

    第三章 左派リバタリアニズムの正義論――その意義と限界
     一 はじめに
     二 左派リバタリアニズムの意義
      (1) ノージックのリバタリアニズム
      (2) 左派リバタリアニズムの権原理論
      (3) 平等主義とロック的但し書き
     三 左派リバタリアニズムの限界
      (1) 自由と自発性の区分
      (2) 不確実性への対応
     四 むすび

    第四章 宇宙的価値としての平等――平等主義的正義論の価値論的基礎
     一 はじめに
     二 平等の価値をめぐる論争――その整理
      (1) 個人的価値としての平等――ブルームの平等論
      (2) 非個人的価値としての平等――テムキンの平等論
      (3) ブルーム・テムキン論争の裁定
     三 テムキンの平等論批判
     四 極端な平等論から宇宙的価値としての平等へ
      (1) ペアションの極端な平等論
      (2) 宇宙的価値としての平等
     五 むすび

    第五章 選択責任の両立論的構想――正義原理に向けて
     一 はじめに
     二 正義と責任をめぐる根本問題――自由意志と決定論のディレンマ
     三 正義の環境をめぐって――ロールズとコーエン批判
      (1) 正義の環境とは何か
      (2) 責任をめぐるロールズの理論――その批判的検討
      (3) コーエンのロールズ正義論批判――その批判的検討
     四 選択責任の両立論的構想
      (1) 合理的能力
      (2) 合理的能力に基づく選択責任の両立論的構想――その二つの特徴
     五 むすび

    結論

    文献一覧
    あとがき
    事項索引
    人名索引

  • 東2法経図・開架 311.1A/I57s//K

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著者プロフィール

1975年生まれ
東京大学大学院総合文化研究科国際社会科学専攻博士課程単位取得退学、オーストラリア国立大学大学院社会科学研究校哲学科博士課程修了、PhD (Philosophy)
著書に、『正義・平等・責任――平等主義的正義論の新たなる展開』(岩波書店、2017年近刊)、『政治理論とは何か』(共編著、風行社、2014年)、『実践する政治哲学』(共編著、ナカニシヤ出版、2012年)など。

「2017年 『世界正義の時代 格差削減をあきらめない』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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