- Amazon.co.jp ・本 (298ページ)
- / ISBN・EAN: 9784001109320
感想・レビュー・書評
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冒険が始まり、スピラーのアニメでの描かれ方に疑問が。
しかしまあ、よく人間に見つかる。
こうなると種として存在できるはずがない、などとつまらないことも考えるがまあ楽しい。
そしてホミリーがいらつく。
絵が不気味だけど素敵な話。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
メアリー・ノートン原作の小人の冒険シリーズ
例の、ジブリで映画化の「借り暮らしのアリエッティー」の物語です。
住んでいた家を追い出されて・・
野に出た小人たち新版
人間の家を出て、野原で生活が出来るでしょうか?
アナグマや、イタチなんかもいます。
スピラーに助けられながら、靴の中に住んだり、雪の中で凍えそうになったり、ジプシーに捕まりそうになったり、大変な目にあいながらも、ヘンドリアリ一家に再会します。 -
『楽園のつくりかた』のあと、こっちも図書館で読んでしまう。
床下での借り暮らしを解消せざるをえなくなったアリエッティたちは、親戚の小人たちがいるかもしれないというアナグマの巣を探して苦労する。父ポッドも母ホミリーも用心深く、そして、アリエッティが人間に不用意に見られただけでなく、口を利いたのがまずかった、そのせいでひどいめにあっているとしつこく責めながら、快適とは言い難い、外での日々をなんとか生きぬいていく。
アリエッティはそんな両親に、年頃の娘らしい反発と疑問を抱いている。
ひとりで土手をのぼり「わたしだったら、どこへだっていけるわ」と考えるアリエッティ。
▼なにか思いきったことをすると、きっとこんなひどいめにあうものなのかしら、とアリエッティは考えました。いつも両親にいってきかされているように、床の下の暗闇に人しれず住んでいることのほうが、ほんとうにいいものなのだろうか?(p.87)
そして土手をのぼりながら、自分の能力にも気づく。父がテーブルかけの折り目をつたっておりたり、玉飾りのカーテンにのぼったりできるのと同じように、自分だってできる力がある。こんなに手だって大きい!
▼…わたしが、女だからってことで、そして借りものにいかせてもらえなかったっていうだけで、わたしにそんな才能が恵まれてないなんてことには、ならないわ…(p.90)
父ポッドは、一人で土手をのぼったアリエッティに、「いくときは、かならず、どこへ、なにしに、どのくらいか、いっていかなきゃいかん。わかったかね?」と念を押す。
そういう父に、アリエッティは否を言う。
▼よく、わかんない。だって、【なにしに】いくんだか、わからないことだってあるんですもん。(p.94、【】は翻訳では傍点)
この物語でアリエッティがこの借り暮らしやの女の子だというところに、コロボックルの国での女性の位置と似たものがあった。苦労の日々の末に、ほかの借り暮らしやに会うことができたアリエッティたち。そのとき、アリエッティは男の子と女の子で習慣が違うことをあらためて知るのである。「若い男の子たちは、仕事をおぼえるために順番で借りに出るけれど、借り暮らしの長いしきたりにしたがって、女どもは留守番をしている…」(p.291)と。
少し前にコロボックル物語を読んだせいか、私はアリエッティたちも2~3センチぐらいの背丈だと思い込んでいたが、この巻の訳者あとがきで「背丈が20センチぐらい」と読んで、そんなにデカいのか!とびっくりした。(考えてみれば、「人形の家」の道具などがちょうど使えるぐらいだというのだから、20センチ、たぶんリカちゃん人形くらいの背丈なのだろう。)
コロボックルたちは、動作がとにかく素早く、ふつうに話すと人間には聞こえないくらいらしいが、アリエッティたち借り暮らしやの動作は人間と同じくらいのもので、サイズが小さくなったぶん、よけいに時間がかかるというような話になっている。あちらの小人と日本の小人は、いろいろ違うところもあるのだった。 -
自分に正直に生きる事が大切。
体裁とかきちんとした安全な暮らしのために、床下に留まる選択肢は残されなかった。
野性的なスピラーは、実はいいヤツなのか。知ってたら最初から連れてってやればとも思うけど、そもそもそんな義理などないのに助けてくれたというべきなのだ。
アリエッティやスピラーは、外の世界へ行きたい、人間と話したい、借り暮らしとしては変わり種。でもそんなヤツがいたって良いんだ。 -
ずっと床下で借り暮しをしてきた小人たちが、野に出て自然や人間の脅威に身をさらしながら生きていく。お腹をすかせたり、寒さにふるえたりしながらも、「やっぱりきてよかったわ!」と考えるアリエッティのたくましさがいい。このシリーズ、子どもの頃(40年近く前!)に読んだ時は、それほど面白いと思わなかった。小人たちの生活風景の細かな描写をイメージすることができなかったのだろう。