よろこびの日: ワルシャワの少年時代 (岩波少年文庫 2100)

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  • Amazon.co.jp ・本 (321ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784001121001

作品紹介・あらすじ

少年はある日、小遣いを全部つかってみようと思った。辻馬車に乗り町を一巡りし、子どもたちにキャンディーをおごりもした。お金持ちの王さまの気分。だけど、何かが心にひっかかる…。古き良き時代のワルシャワを舞台に、大人になることへの好奇心とおそれをいだく少年の姿を愛情深く静かなユーモアをまじえて描く、ノーベル賞作家シンガーの自伝風物語。小学上級以上。

感想・レビュー・書評

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  • 最後の「シーシャ」の話は、おとぎばなしのよう。物語るから歴史になる。その秘術を目の当たりにした。

    「洗濯ばあさん」の話は、迫真だ。責任とはなにかについて問い掛けている。

    美しい話もあるが、多くはシニカルだ。ユダヤ教に対しても。

    大人の世界、子どもの世界どちらも見事に描き分けられている。

  • ともかく感動しました。
    ユダヤ教のことを殆ど知らなかったので大変勉強になりました。
    貧しいながら輝いていた子供時代。
    洗濯ばあさんの章が、特に感動!
    人間こうありたいですね。

  • ワルシャワ、ポーランドなどを舞台とした作品です。

  • サブタイトルにあるように、I.B.シンガーが、少年時代の体験をもとに書いた物語。かつてワルシャワ市民の三分の一がユダヤ人だった。第二次大戦の際に、その多くがドイツによって無惨に消し去られた。

    生き残ったシンガーは、殺された人々を物語に書きとめておきたいと、ユダヤの言葉、イディッシュで作品を書いた。原著では「ワルシャワで大人になっていく少年の物語」という意味の副題がついているという。

    子どもの好奇心、それでふみだしてみたものの心に宿るおそれ、そういうのがじんわりと描かれている。

    こないだ清水眞砂子の本で出てきた「洗濯ばあさん」の話は、引き受けた務めを有終の美で飾りたいというばあさんの心が、実直さと仕事熱心とを支えとして果たされたことを伝える。

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