愛蔵版 モモ

  • 岩波書店
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本棚登録 : 890
感想 : 76
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  • Amazon.co.jp ・本 (377ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784001155679

感想・レビュー・書評

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  • 小さな円形劇場跡に住むモモが、時間どろぼうたちから時間を取り戻すための物語

    小学生の頃に演劇を見たあと、親に買ってもらってからずっと読み続けている本
    子どもの頃は沢山のワクワクを、大人になってから読めば変わらぬワクワクに加えて時間について深く考えるきっかけに、もう何十回読んだことでしょうか
    一生手元に残しておきたい一冊です



    作 ミヒャエル•エンデ
    訳 大島かおり

    2004年9月 第7刷発行時点
    NDC 943
    ページ数 382p

  • 大人が読んで、自分のバランスを省みるための本だと感じました。子供が読むには、少し教訓的デフォルメが過ぎるという気がします。一概にどちらが良いと断ずるべきではない価値感を、この物語のように善悪の構造で伝えるのは、かえって価値基準が硬直化しそうな気がします。一方で、例えば諺にも真逆の意味のものがあるように、真逆の価値観を伝える物語とセットで読むことができれば、その経験はとても良いものになりそうだなと思います。もしそういう物語(モモと価値観的に対局の物語)があれば、ぜひ出会いたいものです。

  • 愛蔵版モモ
    著作者:ミヒャエル・エンデ
    発行者:岩波書店
    タイムライン
    http://booklog.jp/timeline/users/collabo39698
    資本主義の暴走を止めるコミュズムをシェアしていく社会の形成
    時間を捉えるのは心だ人類は長い進化の過程で感情を獲得してきた感情の無い仕事は仕事ではない。

  • 家の本棚にあって、中学生くらいの時に読んだんだけどその時はいまいちピンと来なかったモモ。会社の同僚が薦めてたので30年以上ぶりに再読。

    よく「時間が無い」と言ってる人を見かけるけど、少なくとも僕は、それに近いフレーズはやりたくない仕事や興味の無い誘いを断る時にしか使った事無いです。なので、当たり前過ぎる事しか書いてないしやっぱり今回もいまいちピンと来ませんでした。だけど、この本が何年経っても名著とされている事を逆説的に考えると、それは、僕がイヤな事はイヤだとはっきり言える性格だからそうなだけで、本当に「時間が無い」と思ってる人も居るのかも知れないなあと思ったりしました。

    個人的には、全く正反対の性格である思慮深いベッポとホラ吹きのジジが、間にモモを介する事でお互いを認め合っているところとかが良かったかな〜♪あと、一番最後にこの物語をここまで読んできた人にしか見えない文字が浮かび上がってくるラスト1行がなかなかオシャレで良かった☆

  • 前半がすごい素敵だった

    後半、まさかそんなにスペクタクルになるとは、、、

    翻訳なのに文章もひっかかりなくスラスラよめるよいものだったけども、まさか世界系とは思ってなかった

  • 改めて読むと、大人でも面白い。
    母が読み聞かせてくれていたらしい。
    断片的に覚えている言葉が、やっと物語で繋がった。

  • NHKの「100分で名著」「グレーテルのかまど」の特集を見て10年ぶりに再読。

    小さな女の子モモが、人間の時間を奪う灰色の男たちと対峙し世界を元に戻すまでのお話。人間にとって時間とは何なのか、生きるとは何なのか。約50年前に書かれた物語が現代の私たちの心に響く、大人も子供も楽しめる一冊。

    読めてよかった。純粋に物語として面白かったし、何度も自分の中にメッセージが刺さり、深く考えたり噛みしめたりしながら読み進めた。

    以前の印象は「また読みたい」「手元に置きたい一冊」「ココアが美味しそう」だった。

    面白かった、いつかまた読まなきゃと購入していた。けれど、何度か読みなおそうとするたびに出だしの円形劇場が想像できなくてくじけていた。物語が動き出すまでが待てない。それは、灰色の男たちに時間を奪われた人間たちと同じ感覚たったなぁと読後に思った。

    スマホを触るうち、テレビを見るうちに失われる時間。マルチタスクに日常業務をこなすたびに得られる達成感の一方でますます時間がないような、急かされ余裕のない感覚。物事を損得や効率で判断する瞬間。灰色の男たちに時間を奪われた(奪わせた)人間は私。自分自身の物語がここにあると感じ、モモやホラたちに自分のありたい姿をまた見せてもらった。

    灰色の男たちに時間を奪われた子ども達の姿も、今に通ずる部分がありびっくり。想像力を養う遊びではなく、おもちゃや勉強のような「それだけしかできない」道具をあてがって、足りないものはどんどん買っていく。大人も忙しいから物やお金を与えていく。モモの時代にゲームやYouTubeはないけれど、同じような現象が起きていて、驚いた。

    マイスター・ホラの言葉「人間には時間を感じ取るために心というものがある。そして、もしその心が時間を感じ取らないようなときには、その時間はないもおなじだ。」「人間はじぶんの時間をどうするかは、自分自身で決めなくてはならない。だから時間を盗まれないように守ることだって自分でやらなくてはならない。」自分の時間の尊さは自分にしかわからないんだなと、当たり前のような、でもとても大切なことを教えてもらった感覚。

    掃除夫ベッポの言葉「いちどに道路ぜんぶのことを考えてはいかん。つぎの一歩のことだけ、つぎのひと呼吸のことだけ、つぎのひとはきのことだけを考えるんだ。するとたのしくなってくる。ひょっと気が付いた時には、一歩一歩すすんできた道路がぜんぶ終わっとる。どうやってやりとげたかは、じぶんでもわからん。」仕事も生活もこうありたいと思った。

    時間の花が咲いては枯れる場面。美しい音楽が流れ、神秘的な様子はハウルの映画のワンシーンを思い出した。心地よさが伝わってきた。

    30分先の未来が見える亀のカシオペイア。その健気なようすや、甲羅に浮かぶ文字が安心を与えてくれる絶妙な言葉に今回何度も心奪われた。「マタキマシタヨ」「コマルワ ヤメテ!」「アナタハ ソウシマス」優しく、可愛く、きっぱりと。頼もしい存在、大好き。

    金色の朝食はモモがエネルギーを取り戻す場所として心に残った。疲れ切った時、おいしく温かい食卓で人を癒したいし、癒されたいと思った。

    きっとまた忙しくなれば忘れてしまいそう。でも、心のどこかにしまっておいて、また読み返したい、そして子どもたちへも手渡したい。

    ラストが素晴らしかった。
    モモの友だちだけが祝い方を知っている、とてもとてもたのしいお祝い。
    そして、歓呼と、抱擁と、握手と、笑いと、さわがしいおしゃべりがおさまると…みんなが石段に腰掛け、モモが空地のまんなかで、すみきった声でうたいはじめる…。

    愛蔵版は赤い箱やオレンジの本がきれいで手に取るたび大切に読みたいと思った。

  • 最初は何度も睡魔に負けそうになりましたが、ひとりでも勇敢に頑張る小さなモモの大冒険にどんどん引き込まれました!
    40年くらい前の話だけど全然色あせた感じかなくて、むしろ忙しなく時間が過ぎていく現代に当てはまる部分も多かったです
    ずっと読んでみたかったから読めてよかった

  • 20151122 また時間ドロボウが活躍してきているのかも知れない。もしくは、今が話の時代なのかも。どこかで時間を取られているのかも、と考えて立ち止まる機会になればと思う。

  • 児童書だけど大人も読むべきだと思います。
    現代の情景が言葉にされたように感じました。

    毎日毎日時間がないと口癖になっていた私には、結構突き刺さるものがありましたね。
    大切なことを教えてもらった作品です。

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