王朝物語秀歌選 上 (岩波文庫 黄 37-1)

著者 : 樋口芳麻呂

• 岩波書店 (1987年11月16日発売)

感想・レビュー・書評

[myjstyleさんの感想 · 2021年1月10日]

後の「新古今」の母胎となる「六百番歌合」を主催し、文化的パトロンでもあった若き政治家九条良経の命により、藤原定家が編纂した物語歌合。左方に「源氏物語」から百番、右方に「狭衣物語」などから百番をセレクトしています。この「物語ニ百番歌合」は、物語は女子供の慰みとする見方から、物語は歌に匹敵する重要な意味があるという見方へと意識変革を促しました。また、後嵯峨帝の后・女官の間では物語熱が昂じ、物語から14百首を編纂した「風葉和歌集」が生まます。こうした文化的潮流の中で、文芸としての物語の地位が向上していったようです。

[goya626さん · 2021/01/11]

樋口芳麻呂さんー優雅な名前が凄いですね。２０１１年まで生きていらっしゃたそうで。こんな本があるとは知りませんでした。百人一首の紫式部の歌はどうも感心しないのですが、源氏物語の歌は冴えていますよね。

[myjstyleさん · 2021/01/24]

goya626さん　こんばんは。

コメントを頂いたのに気づかず失礼しました。
本書との巡り合いはNHKの「歴史ヒストリア」にあります。60歳を過ぎて後半生を「源氏物語」の編纂捧げた藤原定家のお話でした。定家は仮想歌合を編纂したというので読みやすい書籍を探し本書に至った次第です。改めて、選ばれた歌を読んでいると場面が浮かんできたりしました。定家の源氏マニアぶりが伺える1冊ですね。

[夢野 旅人さんの感想 · 2008年8月11日]

なんというか、源氏物語の世界がぐぐっとリアルにせまってくるんですよね、六条の御息所や桐壺、嵯峨院、源氏の君達の息吹が伝わってきます。

[シマメさんの感想 · 2006年11月5日]

鎌倉期に成立した秀歌選３つを収録